緑 はじめですクローバー


小説「ディア ペイジェント 絆のカルテ」南杏子著を読みました。


 

 

 

 

この小説を書かれた南杏子さんは、現役のお医者さんなんですね。

初めて南杏子さんの作品を読みました。


物語の舞台の病院はサービス業として経営されています。

あくまでも私の感覚ですが30年ほど前のの病院に比べると、今は病院の居心地が良くなったと思います。

もちろん私自身が歳を取り、図々しさと言うか度胸がついたところが、心境の変化に大きく関わっていると思います。


そして自分自身のことは全くわからないのですが、この小説を読みながら私は病院側を困らせていないことを願いました。

ただ主人公のお母さんが亡くなったとき、妹がお母さんが入所していた施設や病院を責めるシーンがあります。

妹はクレームを言ってるつもりはないけれど、感情が溢れて受け止める側がクレームと感じることはあるかもしれないと思いました。

本当に難しい。


また終盤で実家の診療所で医者をしている主人公のお父さんが「治すための医療だけじゃなく、幸せに生きるための医療を考えてきた」と言います。

私、患者の立場からしても、どのような治療をして、その結果副作用や生活の質がどうなるか考えないといけないと思いました。

そしてどの治療をするか、あるいは治療をしないのか自分で決める。

今はそう思っても、いざとなったら考えるのも怖いし決められそうにないな……たぶん。


最後に医療だけではないけれど、地域医療を守るのは私たち患者なんだと思いました。

ちゃんとルールを守って、お医者さんだけではなくスタッフさん全員が気持ち良く働けないと病院がつぶれちゃう。

そうしたら困るの私たち。