真っ青な空のチュニジアを後にし、パリ行きの飛行機に乗り込む。

  1月最終日。 ・・・・・・パリは寒いんだろうなぁ。

 席に座っていると、すっっごく重そうなカバンを持ったチュニジア人のおばさんが、私の隣の席にきた。 

  ズルズル・・ドサッ

  おばさんは、自分の足元に、そのカバンを置く。 大量の本でも入っているのかな。

  おばさんは、親戚なのか、友達なのか、3人くらいで飛行機に乗ってきていた。みんな、頭にはストールを巻いている。 イスラム教のスタイル。

  まもなく飛行機は穏やかに滑走路に向かって動き出した。

  半分、目を閉じかけながら、おばさんのほうをみると、おばさんは、ストールの上から自分の耳を"ギュッ"と押さえて微動だにしない。 ・・・・・飛行機の中でよくある、気圧の変化に弱いのかな。 

  私は再び、目を閉じる。 ふと、自分のバックのポケット部分に、成田→パリ間のAir Franceの機内でもらった、アイマスクなどが入った安眠セットのようなものの中に入っていた耳栓が、使わずに取ってあったのを思い出した。 個人的に、耳栓をすると、"耳に貝を当てたときのような音"がする感じが好きでないので、これは私には必要ない。 おばさん、使うかな。これ。

  「すみません、よろしければこれ、使いますか?」(チュニジアは仏語が通じるので しゃべっているのは仏語です)

     「Ah, merci beaucoup.(ありがとう)」 おばさんは躊躇なく耳栓を受け取り、片方ずつ、慎重に耳栓を入れ、ホッと一安心したようで、"ハぁ。これで大丈夫。"というかんじで、笑顔を見せた。

   飛行機は離陸しまもなく、昼食が運ばれてきた。行きのとき同様、食事セットの上には一枚カードが置かれていて、そこには "こちらの食事には、豚は使われていません。これらは、HALALの食品が使われています。"の一文が添えられている。

   オリーブオイルの産地のチュニジアらしく、サラダのドレッシングに、"オリーブオイル"があった。 耳栓のおばさんは、食事を順番に食べていき、デザートのケーキは、自分のバックにしまった。 飛行機の中で出されたものは しっかりきれいに食べ切らないといけないと思っているポリシーのようなものを感じ取った。 そして、私が食べたものをちらっと見て、少しすると、サラダの中に入っていたFETA(フェタ)のようなチーズだけ、"あなた、チーズ好きならこれ、食べて。"と私に渡してきた。  "きれいに食べる主義"なんだったらしょうがない。 特に、オチはないが、私はそのおばさんの「主義」に協力することにした。    おばさんは、食後に私達にガムをくれた。

      ・・・・・・しかし、、何はともあれ、どう頭をひねっても、自分の食事は全部食べたか全くもって思い出せない。