先日、トラウマのことについて書きましたが…
それが何なのか、もう少し、ちゃんと書きたいと思います。
書くことが今の自分にとって必要なことだと感じるので、自分のために。
今私は、相手のことも許して、ある程度心の整理がついています。
その場面の記憶はほとんどないので、あまり具体的な表現はしませんが…
性的な虐待の話なので、読むのがつらくなりそうな方は、スルーしてください。
信じられないかもしれませんが…
私が「子どものころ実の父親から性的な虐待を受けていた」ということに気づいたのは、今から数年前、40歳のときです。
父は、その10年くらい前に病気で亡くなっています。
なぜ、それまで気づかなかったのかと言うと、虐待を受けたときの記憶がほとんど失われていたのと…
少しだけ身体を触られた記憶が残っているけれど、当時は子どもだったので、それがどういうことなのか分からなかったからです。
(大人になってからもその記憶に向き合う勇気がなかったので、それを冷静に考えようとしませんでした。)
私は、もの心着いた時から、男の人が怖くて、電車やバスで男性が隣の席にいたりすると、席を移動したくなるくらいでした。
父親に対しては、慕う気持ちもありましたが、同時に嫌悪感と恐怖心を持っていました。
でも、自分はなぜ、父親をはじめとした男性がイヤなのか、怖いのかが分かりませんでした。
子どものころは、それが普通の状態であったし、父親に怒鳴られたり暴力を振るわれたことはなかったので、自分は生まれつきそういう人なのだと思っていました。
幼稚園や小学校でも男の子が怖かったし、まったくしゃべらない子どもだったので、女の子の友だちともうまく付き合えず、自分は本当にダメな人間だと…
また、先生に「お手洗いに行きたい」ということも言えなかったし、服を脱ぐことが怖かったので、トイレに行くことを嫌い、たびたびお漏らしをしていました。それでいじめられたし、自分は「臭くて汚い人間だ」、「生きていることが迷惑だ」という自己イメージがついてしまいました。
そんな私を父や母はとても心配して、「なぜ、何もしゃべらないの!?」、「もっとお友だちと遊びなさい!」と責めました。
母は、私が虐待を受けていることに気づいていなかったですし、今でもまだ知らないままです。
母は、私がそんな子どもだったのは、自分の育て方が悪かったからだと思っているようです。
父の方は、自分のしてしまった事のせいだと気づいていたのかもしれませんが。
虐待がいつまで続いたのかも、記憶にないので分かりませんが、女子中、女子高、女子大を経て、就職と同時に一人暮らしを始めました。
職場は男性の多いところでしたが、就職をして何年かしたころには、どうにか、こうにか、男の人とも普通に接することができるようになりました。
自分で言うのも何ですが、私のような人が男の人に慣れるのには、とってもとっても努力のいることで、我ながら「よく頑張った」と思います(笑)
そんな中…
40歳のとき、テレビや新聞で、「電車の中で40代の女性の身体を触って逮捕された」、「20代の女性を押し倒して逮捕された」などのニュースを見て、「あれ?」と思いました。
大人の女性の身体を触ったり、押し倒したりして逮捕されるのだとしたら、私が父親に触られたことは、虐待に当たるのではないかと…
それで、かねてから通っていたカウンセリングの先生に相談してみました。
先生と話しているうちに、自分は父親による性的な虐待を受けていたということが分かりました。
男性が怖かったのもそのせいだと。
それが分かったとき、最初に湧いてきた感情は、父親に対する怒りでした。
「男性に対する恐怖心と嫌悪感」、そんなもので自分の人生を塗り固められていたこと
「自分は臭くて汚くて、生きていることが迷惑なんだ」と感じていたこと
「自分は他人とコミュニケーションが取れなくて周りに迷惑をかけているダメな人間だ」と思っていたこと
どれもこれも、全部父親のせいだった!
その怒りです。
「私の人生を返して!」と。
でも、しばらくして、「ホッとした」ことも事実です。
そうです…、
自分は悪くなかった。
自分が生まれつきダメ人間なわけでも、努力が足りなかったわけでもなくて…
自分ではどうすることもできない原因があったのだ
…そう分かってホッとしたのです。
……救われたのです。
だから、もし、あなたがかつての私のように自分のことをダメだと思っているとしたら、きっとそれは「あなたのせいではない」と思うのです。
40歳のときに私は、ようやくこのことに気づきました。
もう少し早く気づいてあげれば良かった。
自分で自分に「ごめんなさい」でした。
それから3年くらい経ったとき……
「父親を許す」ことができました。
というより、「許しが訪れた」という表現の方がしっくりきます。
それは、私にとって大きな転機となりましたが……、
そのことについては、また書きたいと思います。
こんな長くて読みづらい話、最後まで読んでくださって、ありがとうございました。