伝染する精神性、それが松本大洋の作品の凄さだと思う。


読み手に与えるのは、確かに存在する世界で、誰の心とも必ずリンクする。

悲しみも痛みも愚かさも強さも弱さも楽しさも。

すべての感情が繋がる。


鉄コン筋クリートは、光と闇、シロとクロ、大人と子供、世界と街、と対になるコントラストがはっきりしている。

其故に鮮やか過ぎて訳もわからず涙が出たりする。


シロの言葉には強い真実があって、無条件で信じたくなる。

クロの行動には脆い一途さがあって、無意識に悲しくなる。


そして、彼らが選び取る世界が、鮮やかで美しくて笑顔になる。


何度も何度も読み返すけれど、いつでもこの場所に戻れる。

そんな気がする誰にとっても大切な宝物のような存在が、この作品なんだと思う。


松本 大洋
鉄コン筋クリート (3)




だから、映画版で下手なことはしないでほしい。期待してますよ!