京都の宇治には『縣祭り』という奇祭がある。
『縣』と書いて『あがた』と読む。
暗闇の中を神輿が練り歩く奇妙な祭りである。
かつては、暗闇で『何かが』行われる怪しい祭りであったそうだ。
確か。
中学2年くらいだったと思う。
友人と縣祭りへ行った。
もちろん。神輿を見たさに、なんてことはなく。
その『何かが』あるかも知れないという・・
都市伝説に惹かれたのだ。
いくら昭和50年頃とはいえ、もはやイカガワシイ風習など残っているハズもなく
思春期の少年達はガッカリしたのである。
おっちゃんの店は、国鉄宇治駅のすぐ目の前にあった。
お祭りの日も、常連客10人ほどでビール片手にワイワイと賑わっていた。
俺もバイクに興味が湧き始めていた頃だった。
自宅周辺には大型バイクを扱う店など全くなかったし
自転車屋さんに原付並んでるような店が当たり前だった。
初めて見たバイク屋に釘付けになった。
しばらく遠巻きに、店の中に並ぶバイクを眺めていた。
「近くで見たらええで」
グレーの作業着のおっちゃんが声を掛けてくれた。
俺とおっちゃんの出会いだった。