高校に上がった頃。

早く免許を取りたくて、誕生日を指折り数えて待っていた。

 

こっそり無免許運転したこともあったが
当時はバイクのヘルメット義務化だとか、暴走族問題だとか
結構ゆるゆるだった警察の取り締まりも厳しくなってきて

そうそう気軽にバイクを動かすことも難しくなってきていたのだ。

オートバイ雑誌の裏表紙のZ2を眺めながら色々妄想するしかなかった。

 

そんな日々の中。朗報が舞い込んだ。
『750に乗れるで!』
原付免許を取りに行った友人が仕入れてきた情報に心が躍った。

 

伏見の羽束師にある自動車試験場のすぐ横に『安全学校』がある。

調べてみたらまだ学校は残っているようで、とても嬉しく思う。

 

 

京都府交通安全協会が主催する、単発でも受講できる教習所『練習場』

詳しく調べてないが、全国的にも珍しいのではないだろか?

現在は4輪と原付のみのようだが、当時は2輪の練習もできた。
当時。

免許制度の大きな変更があって、大型二輪免許だけは特別扱いだった。
教習所で取得することができず、試験所で1発合格するしかなかった。
試験場で10回は通わないと(顔と名前を憶えてもらわなければ)絶対合格させて貰えない
そんな神格化された免許。
その免許が必要な750に合法的に乗れる!夢のような場所だった。

 

もちろん。私はまだ原付免許も持っていなかったので。
いきなり750に乗りたいといっても、なかなか承諾はしてもらえなかった。
バイクの基本操作はできることと、どうしても挑戦したいという熱意だけでゴリ押し。

8の字の押し歩きと、車体起こしができたら、という条件付きで乗せて貰えることになった。

今から思えば、そんな奴はいっぱいいたのだろう。
受付の人も教官もとても優しかったのは覚えている。

友人と順番に750に乗った。
初めてエンジンを掛けて、するすると動き出した瞬間は、本当に鳥肌が立った!
私の様子をしばらく様子を眺めていた少し年配の教官は
『あんまりスピード出すなよ!』一声だけ掛けてどこかへ行ってしまった。
嬉しかった!
750に乗れた。Z2に乗れた。最高だった。
練習場の外周路だけを、グルグルまわった!本当に楽しかった。

自分の番が終わって、友人の練習を眺めていた。
友人の走りを見ていた若い教官が

『一本橋とか教えよか!?』
すかさず、その後ろから年配の教官が言った
『好きに走らせてやれ、あいつらそんなん求めてないから』

今の時代なら、いろいろ問題になることもあるだろが
ほんとに。いい時代だったなと思う!

私が実際に免許を取ったのは、まだまだ後の話である。