十数年前にこんなことがあったんだ
二階にある自室のベッドで不意に目覚めてしまった 夜半過ぎ
普段から真っ暗にしないと眠ることができないのだが、部屋が妙に明るいと気付いた

見渡すと…
説明が難しいが、部屋のほぼ中心から放射状に青い光が伸びているようだ スイカの模様はギザギザだがそのギザギザがない直接的な青 闇 青 闇 青 闇 という縦縞に部屋が照らされていた
 
だが、光源と思われる部屋の中心あたりには何もないのである ベッドから降りて手で探るものの 手ごたえもない

青い光は微動だにせず 当たり前かのように部屋を縞々に照らし続けていた

時計を確認すると am2:30くらいだった覚えがある

会社の仲の良かった同僚に内容を伝えるためメールを送信してみた 夢なら彼にメールが届いていないと踏んで…

そのあとは実に不思議だと思うのだが、飽きてしまった 眩しい青の縦縞の中再度寝てしまったのだから…

翌朝 いつもと変わらない朝を迎え出勤して
昨晩メールを送信した同僚に確認すると受信していた 内容も自身に覚えのあるものだった もしかしたら脳に異常があるかもねと笑いにしたが そんなことは本気で思ってはいなかった


その夜 おそらく同じような時間帯だったろうと思うが またふと目が覚めてしまう

しかし 昨晩の青い光があるわけではない 時計を確認するため明かりをつけてみた


目覚まし時計が逆回転している!
しかも結構な速さで 時間の確認は出来ずにいたが 止まることなく逆回転している時計を見ながら かの同僚に電話をした
深夜だが構わなかった  
時間がかかったが電話口に出た彼に 今まさに起こっていることを説明して報告を終えると ふいに逆回転時計に興味を失って 眠りに落ちた

翌朝に深夜に変な電話かけたことに憤慨した同僚に 事実だと改めて確信する


この2日間に於ける不思議な体験だが その後の十数年間には何も起こっていない


しかしだ
知り合って間がない新しい会社での同僚に暇つぶしのネタに話しをした

彼が友人からよく似た話を打ち明けられたよと切り出したんだ

その友人は10年前くらいに米国出張の際にホテルで深夜に目が覚めたそうだ
部屋の内部に放射状に虹色の光があったらしい 光源を探すもそれらしいものもなく それどころが壁かけ時計が逆回転していて 気が狂ってしまったとパニックになったという

息苦しさに窓のカーテンを開けて 空気を入れ替えようとする 道路を挟んだ向かいのビルに異様な人形がこちらを伺っている
頭が大きく目玉が真っ黒でやはり大きかった
とっさに窓のカーテンを引き 相変わらずの眩しい虹色の中で眠ってしまったというのだ
彼曰く宇宙人だと認識したものの 普通にベッドに入り直して眠りについたのは不思議だと今にして思うよ との打ち明け話しだそうだ

細部まで同じではないし私は宇宙人を見ていないのだが 似た話を初めて聞いたので実に久しぶりに記事を書いてみた

あの異常な2日を渡る夜 もしかして窓の外を見ていたら新しい友人に出会えていたのかな…などと