BSのツーリングタイヤに交換、エアークリーナーも効率の良いタイプにして、フィルターとオイルを夏用の粘度のタイプに入れ替え、プラグを購入だけして、準備を整えた愛車GSX1400Zに跨り走り出す。
深夜大洗港発のカーフェリーに乗る為、19時にI氏の勤務先で合流の予定だ。
I氏は.会社で着替えてそのまま出発するという…
そう。
ようやく、北海道ツーリングがスタートする。
I氏が中型二輪免許を取得し、400ccのオートバイを購入する前から北海道ツーリングが一番の目的で、君のオリンピックだと洗脳してきた。
あるときはテントを買ってキャンプツーリングに出向き、またあるときは1日に400kmを越えるツーリングで訓練を重ねてきた。そして、ライディングスキル向上のため、大型二輪免許にステップアップしてCB1100に買い替えをしたI氏。
そうだ。時は満ちた。
全ては、北海道ツーリングの為である。
なんなら、I氏を北海道ツアラーサイボーグと呼んでもいい。てか、呼んであげて欲しい。
大袈裟?
北海道を愛車とともに走り、黄金道路で波を被り、新しい友に出会い、北の大地の美味いメシを喰らい、壮大な景色に立ち竦み、時に急な夕立でパンツの中まで雨水に浸かり、更にキタキツネの飛び出しにパニックに陥り、満天の星空の下ではエゾシカに突っ込まれないかドキドキしながら走り、ヒグマに喰われないかテントの中でまんじりと朝を待つ…
走ったことが無ければ大袈裟だと思うのかもしれない。
だが、リアルだ。
オートバイ乗りが、その内燃機に火を入れ鉄の馬に跨っているというのに、北へハンドルを向けないで、一体何処へ行くというのか…
…らしくないほど、力み過ぎて実がでそうだ。
今回で4回目となる北海道ツーリングだけど、間があいているので、新鮮さが変わらない。
調布ICから首都高4号線に乗り入れる。
煌めき始めたネオンの都心を抜ける。
とんでもない車の数と数万人を飲み込む尊大なビル群を後方へ置き去りにしていく。
嫌な匂いの重く厚い空気をアクセルでぶち破る。
ROCKだねぇ
ロングツーリングの始まりはいつだって、急いたロックンロールが頭の中で鳴り響く。
加平PA
フェリー埠頭までは、ね。
私は海が好きだし、モーターボートを操縦するのも大好きだけど…
フェリーの軟禁状態が耐えられない…
あの辛く長い時間は無理だ。
何にもできない。
フェリーは進んでいるだろうが、風が止まってるような停滞感。
何度も見返す動きがノロい時計も。
うんざりだ…
タイタニックじゃないが、世界一周の船旅に憧れる気持ちが全く分からない。
拷問だよ。
次第にROCKが滅入るお経に変わっちまった…
18時間…私の鬱状態は続く…
大洗港フェリー埠頭到着は22時丁度。
憂鬱な時が迫るわけさ…
…続くんだなコレが…



