私は何事にも和を重んじる。
争わず、嫌いにならず解決する糸口を探す。私の信条はまさに“和“そのものである。
心穏やかに暮らし、優しく微笑んでいたいのである。
こんな平和主義の私だが、悲しいが例外もある…
そう、唯一の天敵がいる…認めたくはないが、奴は絶対に許さない!大!大!大嫌いだ!こいつめ!こいつめ!こいつめぇい!
ふぅ、私としたことが…
そいつの名は…
蚊…だ。
…
あいつさえいなければ…
自宅の玄関付近から駐車場までの僅かな距離で、奴らは毎夕祭りを開いてるのだ。
あの、痒さ。
耳元の羽音。
許せん!成敗してくれる!
奴らを抹殺して、快適な夏の夕暮れを取り戻すのだ!
蚊の淘汰は世界の願いでもある。
蚊を媒体とした病を撲滅しなければならないのだ。
私は世論を追い風に、部隊を玄関前に配備することにした…
部隊の名は…
《メダカの学校》である。
血を吸う蚊は、雌だけであり卵を水場に産みつけるのも当然雌だ。
卵は水の中でボウフラへと変態する。
さらなるヘンタイを経て蚊の成虫となればタイヘンなのである。
ボウフラを肉食性のメダカに食べてもらおうという緻密かつ大胆な作戦だ。
食うかな?
まあ、部隊の兵力は未知数なところもあるが、金魚より暑さに強く、デカくならないのがいい。
メダカは小さいが数で勝負。
大体、10匹で300~350円ていどでホームセンターなどで手に入る。
世界中探してもこれほど安価な兵隊もいないだろう…
35度を超える真夏ゆえ発砲スチロール製で断熱に優れる前線基地、いや水槽にした。
僅かな水溜まりより、卵を産みつけ易い場所を提供するのだ。
蚊に媚びてるようで、腹立たしいがこれも奴らを油断させる重要な作戦の一つである。
ニコニコと良い人を装いつつ塩素除去剤を水に溶かしてみせ、さらに浮き草を浮かべ、密かに兵力を注入する。
兵士諸君の健闘を祈る…などと訓辞はしていないが、餌は与えないので、食うはず…
そして、少しづつ蚊が減っていく…かもだ。
絶対に負けられない戦いが今ここに始まったのである…
