ボクは前の職場で、いろんな野菜の品種改良とかやっていたので、常に考えていたのは、誰が食べてくれるのか、どうしたら好んでリピートして食べてもらえるようになるのか?ということです。
ボクがイチゴの交配と選抜をするに当たって、考えたのはイチゴでありながら、ちょっと違う性格付けをしたかった。それが例えば、柑橘類の中でのブラッドオレンジなんだよね。
ブラッドオレンジがなぜ日本に導入されたか、あまり詳しくはないけど、ボクはイタリアンレストランやバーのソフトドリンクでブラッドオレンジのジュースを飲んだ時は衝撃的だった
とにかく濃い、コクのある個性的な味でミカンやオレンジではあるけど、オレンジとは明らかに違う。見つけたらまたリピートして飲みたくなるという、不思議な個性を有していました。
ただ、あの甘さ感ではイチゴでは通用しないから、糖度12〜15°のラインを目指しました。でも、性格付けはオレンジの中のブラッドオレンジみたいな存在です。
![笑い泣き](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/015.png)
それで、今は転職して、あちこちの地方に仕事で行かせてもらえる立場になって、気になっていたことを関係者に直に聞いてるんですね。
当然、愛媛県ではブラッドオレンジのことを聞いたんだけど、なんとブラッドオレンジの品種導入に関係していた方がいらっしゃいました
最初『モロ』という品種を偉い人が推して農家に導入されたんだけど、ちょっと難があって、食味がよく高温でも安定した品質の『タロッコ』を推して農家さんが作るようになったという話なんですね。
モロの食味はちょっと微妙なところがあるらしい。
これ、本当に微細な話だけど、アントシアニンの中には微妙に苦いというか、マイナス要素の味成分が含まれていてジンで割ったりすると苦みが生きるけど、ジュースや生果じゃダメなんだよね。それがモロには少しあるらしいです。
これは、ボクも黒い中玉トマト育成を考えた時があって、交配までやりましたが、黒い系統のアントシアニンの中に除去しがたい不味成分があって計画を諦めた経緯があるから、すごく頷きました。タロッコを農家に推したのは慧眼でしたね。
それで、イチゴもアントシアニンがあり、不味の味成分が若干あって、糖度は高いけど気になって捨てた個体が相当あったのを思い出しました。
もちろん、そういう不味の成分もいろんな人にも食べてもらって判断するんだけど、味覚や嗅覚は才能があって、分からない人にテスターやってもらっても意味ないんだよね😅 それは事務能力とかとは関係ないです。ちょっとヘンなクセがあるとかは、分かる人には分かります。
モロを推した偉い人は頭はいいけど、不味いとか分からんかったのかな🤔 不味いのを普及すると、いつか消費が頭打ちになるし、後になって言われちゃうんだよね😅