ホワイトクリスマスの素敵な贈り物

    プロローグ

あなたには愛する人はいますか?愛されたいと思いますか?


ある男性、彼はとても愛する妻を持っていました。今までのクリスマスには、彼は愛する妻に特別なプレゼントを用意したことは有りませんでした。今年は例外で彼の愛する妻は辛い病気と戦っていました。其のために今年は特別に彼は妻への感謝と愛を込めて、心を込めた贈り物をシークレットに準備していました。

しかし、クリスマスが近づくにつれ、妻の体調は急激に悪化しました。病気が進行し、彼女は意識を失ってしまいました。彼は心底悲しみに暮れ、時間が止まったかのような感覚に囚われました。

クリスマスイブ、白く積もる雪の中、彼は一人で病院に向かいました。手には妻へのプレゼントが包装された箱がしっかりと握られていました。
彼は病院で淋しくクリスマスを迎える見知らぬ患者さんの一人一人に深く頭を下げ、メリークリスマスと患者さんたちに言葉をかけながら妻の病室むかいました。

妻が寝ている病室へ入ると、彼は彼女の手を握りながら涙がこぼれました。彼はプレゼントの箱をゆっくりと開け、その中には妻への手紙と小さな指輪が入っていました。手紙には、愛する妻への思いや願いが綴られていました。

彼は妻の手に指輪を優しくはめ、彼女に対して込み上げる切なさを込めたキスをしました。そんな彼の行動に妻の頬に思わず涙が滲みました。うまく言葉に出来なくても心の中で、妻は彼の優しさにその幸せを感じていたのです。

その後、彼は妻が眠りに落ちて気づかないまま病室を後にしました。彼の心のこもったプレゼントに妻は心から喜んでくれていることを感じていました。
妻が元気に目覚める時を心待ちにしながら、一人ぼっちのクリスマスイブを妻の病気の回復を祈りながら寂しく時間を過ごしました。

クリスマスの朝、彼は病院に戻りました。彼は病室に入り、妻の様子を見ると、彼女の目が開いていることに気付きました。嬉しくて涙が溢れましたそんな彼の顔を見つめて妻は優しく微笑みました。

「素敵なプレゼントをありがとう」! 妻ははっきりとした言葉で彼に伝えたのです。
彼の胸は嬉しさでいっぱいになりました。

妻は指輪を指で触り、「昨夜は素敵なサンタさんが来てくれたわ」と彼に微笑みかけました。言葉はなくても、お互いの愛をしっかりと感じることができました。彼らは手を繋ぎ、クリスマスの奇跡を共有しました。


クリスマスから数ヶ月が過ぎました。間もなく春が来る季節に成ろうとしています。
でも花の季節を待っているのは彼の姿しか有りませんでした。

       エピローグ

この切なく素敵なクリスマスの贈り物は、愛する人を失うことに対する恐れと深い悲しみと、その愛を最後まで全力で示す彼の姿を描いています。
彼の贈り物は病気を止めることはできませんでしたが、愛と希望の力が、彼と妻の心に本当の愛と信頼の暖かさを感じさせたのです。

今の世界は戦争がもたらす悲惨な状況の中でクリスマスを迎える事に成りそうです。愛だけでは戦争を止める事は出来ないかも知れませんがこんな愛のショートストーリーが有っても良いのではないかと投稿します。
          MarryChristmas