東野圭吾著「天空の蜂」(講談社刊)を読んだ。
いやいや、すごい推理小説があったもんだ、と読み終えて暫し呆然としてしまった。
本の帯に「20年前の作品なの?」とあるように今読んでも全く古さを感じない内容。
言うまでもなく著者は文学者だけど高度な科学者といっても良い方だ。
だから電気技術から航空機、操縦、遠隔操縦などありとあらゆる高度な技術が山盛りにされている。
ストーリーは自衛隊依頼で製造したハイテクヘリコプターの試運転の朝、ひょんなことで機内に入り込んだ製作担当技術者の幼い子供を積んだままそのヘリコプターが何者かに遠隔操縦で盗まれることから始まる。
そのヘリコプターは航続八時間の燃料を積んでいるのだが、その八時間のうちにさまざまなことが起きる。
それらはバラバラのように起きるのだが最後には1本の糸に収束されていき大きな結末を迎える。
たった八時間の間に起こる数々の事件を綿々と綴っていく筆力はすごい。
素晴らしい推理小説だと思った。
ただし、この物語は登場人物がかなり多い。それが誰か仔細に判らなくても物語は追えるのだけど、私が時たまやるように登場人物をメモしながら読むと内容がより具体的に迫ってきて印象がさらに深まっていいと思う。
(登場人物の私のメモ)
この小説は昔映画化もされていて、DVDを借りてきて観たいと思った。
おしまい