手術の夜は旦那、長男君、私の三人で自宅で過ごしたが、普段から旦那、長男君は口数が少ない。


次男君は、お話好きでいつもニコニコしていたから家族が賑やかでいられたのだと改めて思った。


4人が当たり前だった生活。


次男君がいないこと。


それがすごくさみしかった。





手術の後ICUに入って二日目。


朝一番に病院に行き、次男君の好きなポテトチップスも持って行った。


そしてICU室に入り、私の顔を見ると涙を流している。


「待っててくれたんだね。」というと口をパクパクして何かを話そうとしているが、声が聞こえてこない。


そして先生が来て


「お母さん、昨日の夜は「痛い」とか言っていたんだけど、朝になって唾が飲み込めてない。声も出ないからこれから鼻にチューブを入れて栄養剤を入れていくことになるから」


愕然とした。


昨日は明日ポテトチップスを食べさせてあげてと言っていたのに、唾さえ飲み込めず、何も食べれない。


PCで調べていた時に北海道の澤村先生のホームページに手術した450人中の107人(24%)が無言症になったとの情報が載っていたが・・・


まさか次男君が・・・


旦那にすぐに電話した。


旦那が仕事終わったらすぐに行くからと言ってくれた。





次男君、全く動けず床ずれを防ぐため位置をかえるのだが、その度に今まで聞いたことのない激しい悲鳴で泣いている。


痛みが強いんだ、だけど痛いとも言えず辛そうで見ていられなかった。


その日、手をいっぱいいっぱい握って話しかけた。


ICU室から出ないといけない時間でも先生が


「お母さん、○○くんのところにおったって。」


と言ってくださり、長い時間一緒にいられた。


旦那が来る時間に一人で待っている長男君に電話し自宅に帰った。


そして家に帰ると長男君が

「お母さん、昨日のイナズマイレブン録画してくれた?」

「忘れてた。ごめん。」


長男君、さみしそうな顔してる。



長男君はサッカークラブの練習で水曜日、金曜日はテレビが見れない。

毎週録画しているのに、忘れてしまった。

番組の録画さえ忘れてしまう、次男君のことばかり考えてしまう。

長男君に申し訳ない。


そしてY家のMちゃんに電話すると録画してあるよ。これからおいでと言ってくれ

長男君を連れてY家にお邪魔させてもらった。


そして私は、Y家の旦那さん、Mちゃんとお話。

旦那さんもMちゃんも次男君のことすごく心配してくれている。

そして長男君のことも、旦那や私のことも。

できることなんでもするから、絶対言ってくれと・・・


たくさん励ましてもらい、話すことで気持ちが落ち着いた。



そして、旦那が帰ってきて、次男君が痙攣を2回おこしたと聞いた。


全く動けない体がガタガタと激しく動いていたと。


旦那が泣いていた。


心配だけど、ICUだから夜は部屋に入れない。


その日の夜もすごくすごく長く感じた。