1/80 福島交通5000系の製作④ | 黄金色の電車工房から

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2019.8.15 yahooブログ「16番鉄道模型と鉄道写真の部屋」より移転してきました。
1/80真鍮キット工作の楽しみを広めるべく更新してまいります。
一応、旧型国電が専門です。


お待たせしました。前回の続きになります。
今日は割と進展があるというか、連載4回目にしてようやく車体にお顔をハンダ付するところまでやってきました。

73系の時と同様に、車体側の補強として1両につき2ヶ所、左右のアングルを繋ぐ梁を渡します。
0.8mm×3.0mmの真鍮材に段差をつけたものを取り付けていきます。

外観に変わりはほとんどないものの、これによって手で握ったときの「シッカリ」感と、正確な車体幅を出すことができます。

室内を塗装する際に邪魔になることと、室内灯を床板側にマウントすることが不可能になるデメリットもありますから、どちらを取るか、というところですね。

作業工程がやや前後しますが、床板を作っていきます。
もちろんキットにも付属しているのですが、2両共モーター搭載を考慮されていたり、余計なネジ穴が空いていたりするので、よりシンプルなものを求めて自作することにしました。

東急5000系はその特殊な車体形状から床板が極端に細長い形をしているので、エコーから床板用として発売されている真鍮板(0.8mm厚×33mm幅)を基に、フライス盤で幅25.2mmに加工していきます。

出来上がりました。
床下機器の懸架方法は検討中なので、現段階では台車中心ピンとカプラー、アングルの取り付けビスの穴だけあけています。

試しにカプラーの候補の一つであるISカプラーを乗っけてみたのですが、見事にアングル取り付け穴と重なってしまいました。
カプラー基部を浮かせて取り付ければ回避できる思うのですが、通電カプラーは必須要件ではないので、この問題はひとまず保留とします。


また車体の加工に戻ります。
先週、長野で見てきた長電2500系の資料を基にベンチレータ位置を割り出し、その取付穴を開けていきます。
工房ひろ(筑波車輌)の「東海型ベンチレータ」を載せる予定なので、取付穴は車体中心に一列に。

作業の時間が深夜だったので、ボール盤は使わずひたすらピンバイスで。
あと、車体を押し潰してしまわないように0.4mmで下穴を開けた後は裏側から拡大していきました。

うまくできました。
こうして見るとこの車両、車体の前後方向に対してベンチレータの偏りがかなり目立ちますね。

写真はありませんが、5023(後位パンタ車)の方にはパンタ周りの配管取付穴も開けていきました。

福島交通仕様にする上で必要のない穴やモールドは、目についた時点でドンドン埋めていきます。

再びお面の加工に戻りまして。
かねてからの懸案事項であったテールライトLED格納ケースを取り付けるべく、ロスト前面の裏側に加工を施していきます。

造形がデコボコしていて不安定なテールライト穴の裏側を2mmのエンドミルで少しだけ掘って、ここに2mmのパイプをはめ込もうと思います。

エコーのものは非常に肉薄なので、ウェーブの外2.0内1.55のものを使用しました。

うまくいきました。
キットの説明書を見てもテールライト裏側の処理の仕方は記載されておらず、かつLEDを仕込む為のパーツも付属していなかったので、本来どう作るものなのかは分からず仕舞いでした。

ワイパーの位置もキットそのままではまずいので、一旦埋めて新たな位置にあけ直します。

ヘッドライトのシールドビーム2灯化を除いて、お面の加工はひとまずここまで。
この状態で車体へ取り付けていきます。
手すり類を後からつけるのは私の中でいつもの手順です。

国電のような平板の前面と違い、立体的なロスト前面は水平垂直に気をつけて取り付けないと傾いてしまう懸念があるので、よくよく注意して位置決めをしていきます。
特にこの車両は車体裾がRを描いている関係で、一体どこを基準に位置決め・ハンダ付していけば良いか分からず苦労しました。

5022のほうは車体との接合部に隙間が生じたので、0.1mmの極薄リン青銅板を挟んで調整しました。

接合と引き離しを何度か繰り返し、半日かけてようやく納得のいく仕上がりとなりました。
表面に若干ハンダが出てきている箇所があるので、これからの作業工程では必要以上にサンポール漬け→クレンザー磨きをしてヒケさせてしまわぬよう注意しなくてはなりません。

そういえば乗務員室ドア横にある「東急車輌」銘板取り付け箇所も後で埋めなくてはなりません。
作りやすい良心的キットゆえの手間です。

あとそれから、ヘッドライトの不要なディテールも全て削り取ってしまいました。
あとは2灯シールドビームをどこから調達してくるか、それとも自作するのかというのが残る最大の懸案事項となります。


ご覧いただきありがとうございました。
本日は以上になります。
続きも近く更新します。