人は神かそれとも破壊者か | 釣りバカ日記

釣りバカ日記

春夏秋冬 四季折々の北の大地を巡るフィールド物語


数年振りに訪れた川が外来種(ニジマス)に置き換わっていた衝撃的現実。

今回の入渓エリアは閉鎖(海や下流部との往来が出来ない)水域。
かつてこの川は在来種(イワナやヤマメそしてアメマス)が静かに暮らす川であったが 砂防ダム建設により生息域が分断された結果 その数を大幅に減らし(ヤマメやアメマスは姿を消して)僅かに残ったイワナたちが細々と生きる川となっていた。

次から次へと釣れるニジマス。
数年前までこの場所で 確かに存在していた在来トラウトたちは完全に姿を消していた。
そもそも このような閉鎖水域は人為的 意図的に移植(放流)でもしない限り絶対に外来種など入り込まない筈だ。
一体どういう事なのか…。

確かにイワナと比較すれば…。
釣味の良い(引きの強い)ニジマス。
食味の良い(食べて美味しい)ニジマス。

しかし だからといって自らの欲望の思うがまま勝手に生態系を変化させる権利などない。
たった一度でも現状に手を加えると 長きに渡ってその地で連綿と受け継がれたいのちの連鎖が途切れ そして破壊され 加速度的にその環境変異が未来へと広がって行く…何処までも…。
実際閉鎖水域より下の流域でもニジマスが釣れたので拡散するのも時間の問題。

我々は神になったのか…。
いやそれは違う。

神は想像するが 人は想像したつもりで破壊ばかりする。

有史以来 人間という生物はこの宇宙の中に浮かぶ奇跡の星を思うがままにして来た…。
そろそろ 真の神から恐竜が絶滅した時のような天罰という鉄槌を受ける日もそう遠くない日にやって来るかも知れない…。

もし仮に地球上から人類が消えたとしても 困る他の生物は居ないだろう。
いやむしろ 全ての人間以外の生き物は喜ぶのではないだろうか。

人は決して神ではなくむしろ破壊者であるという事。 

これまで犠牲になった全ての生きとし生ける 名もなき生き物たちに捧ぐ。

破壊者に この星を継ぐ資格などない。

今 それだけは確実に言える。