僕は小沢元代表を支持している訳ではない。
ただ客観的に見て政治家を40年余りやっているという事は凄い事だと思う。
なぜなら政治家は自分の意思だけではなれないからだ。
何年かに一度、選挙という審判を受けるからだ。
ましてや40年余りの政治生活の中で大半が国民の注目を浴び、政治の中枢に存在感を示している事を考えれば、それだけでもすごい政治家だと感じてしまう。
マスコミはそんな小沢氏を何とか失脚させようと偏見報道をし、国民に『小沢=悪』というイメージを発信している気がしてならない。
今回の件でもそうだ。09年の総選挙で有権者のほとんどが自民党の政治に期待が出来なくなり、民主党のマニフェストに期待をして政権交代が実現した。
しかし今まで与党でなかった民主党は所属議員の経験の無さや、与党としての役割が理解出来ず、掲げたマニフェストを実現することが厳しい情勢となった。
その理由はただ一つ。財源の見込み違いである。
それに嫌気が差した有権者は、期待外れの民主党を支持しなくなり、二度に渡る首相交代となった。
今回の消費税増税についてもマニフェストでは一切触れていない。
だから小沢氏はそれに固執し、結果的に造反した。
この流れをみて、なぜ小沢=悪という有権者の判断となるのか不思議で仕方ない。
むしろ今回造反したのは賛成に回った政府や執行部ではないだろうか?
それなのに一部報道では厳罰に処分すべきだと囁かれている。
たしかに野田総理は昨年の代表選で消費税増税について主張していたが、そうであるならば政府や執行部は国民に増税の必要性を充分に説明しているのだろうか?
また新聞各社はその事に注目して国民に多くの情報を提供しているのだろうか?
今回造反の首謀者が小沢氏だからこんな展開になっているだけで、もしこれが今人気のある橋下市長だとしてもこんな報道になるのだろうか?
僕は絶対違う様な気がしてならない。
昨日の新聞で小沢新党に期待するかどうかという世論調査があった。支持は10%半ばで30%強が期待しないとの事だった。この世論調査の分析は『小沢新党に期待感は無い。』という見解だが、冷静に考えると野田内閣の支持率及び自民党の支持率が目立って突出しているかと言えばそうではない。
そんな事を考慮すれば小沢新党=期待しないという見解には無理があると思う。
週明けにも小沢氏の動向が見えてくるが、個人的には早期の解散総選挙は望ましくないと思っている。
世界各国では今年トップの選挙が行われる。
その動向も見据えながら、来年の任期満了に伴う衆参ダブル選挙で、本当に日本を立て直してくれる政党を政策を吟味しながら選ぶことの方が得策だと考えている。
幸い消費税増税実施も2014年からである訳で、消費税増税の是非、今後のエネルギー政策、社会保障の再構築、景気回復の政策等を選挙で各党に考えてもらい、有権者は白紙委任ではなくちゃんと投票行動する。それが一番よいのではないだろうか?
個人的にはこれだけ政治の中枢にいる小沢元代表の首相としての手腕が見てみたいが、これを言い出すと小沢アレルギーの人に批判される様な気がするので少し控えておこうと思う。