人間能力は千差万別である。
当然個人差もある。
社会で生活している以上、出来ないから仕方ないと言う訳にはいかない。
ましてや労働の対価として賃金を貰う以上、最低限のスキルは求められる。
先日もある現場で、明らかに標準的な仕事が出来ない人がいた。
作業効率がとても悪いのだ。
何日か経って、作業責任者がその人にハッパをかけた。
この行為は当然の事である。
するとその人は逆切れした。
その人曰く、みんなと同じスピードを求められても無理だという。
そしてそんな事を言われるのなら辞めると言い出した。
それを聞いて少し疑問を感じた。
この人は今までどんな環境で仕事をし、生活してきたのだろうと。
僕も社会人になってすでに20年以上経つが、諸先輩や客先に要求された仕事に対する注文は少なくともやって然るべきと思い仕事をしてきた。
時には理不尽な要求もされた事があるが、少なくとも標準以下の仕事に対する取り組みを指摘された場合、無い知恵を絞って頑張るものだ。
そんな事は社会人の誰もがぶつかる壁であり、それを越えてこそ自身のスキルが上がると思っている。
スキルが上がるからこそ対価として賃金が上がり、それを糧としてみんな生活している。
そんな根本も理解していないのかと思うと怒りの前に悲しみさえ覚えてしまう。
こんな事があって昔ある経営者の方に言われた言葉を思い出した。
『人間、40歳までは仕事で失敗や過ちを犯しても、上司や周りの人が助けてくれたり助言してくれるが、40歳過ぎてそんな事ばかりしていると誰も相手にしてくれなくなるから、40歳まではいろんな経験や無茶をしてスキルを上げなさい』
そんな言葉が当時大学生だった僕には新鮮で、その言葉を心に思いつつやって来た。
そのお陰で良い仲間や環境に恵まれ、日々楽しい生活を送っている。
でもこの人はそんな環境さえ持ち合わせていないのだろうか?
他人事とは言え、そんな人間にならなかった事に感謝している。