議員の海外視察について | turfplan.netのブログ

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素朴な疑問や思いを書いています。

よく話題になる議員の海外視察。


9月末の臨時国会終了後、国会議員が外遊に出かける場面がニュースなどで報道された。


報道を見ていると、いかにも国会議員が遊びに行く様な雰囲気を醸し出している。


しかし国会議員全員がお出掛けする訳では決してない。


僕の知っている議員は国内に残り、原発問題や公務員宿舎問題など様々な問題と向き合い活動している。


地方議員もそろそろ海外視察の時期になる。


先日も新聞紙上で議員の海外視察について取り上げられていたが、個人的には結果さえ出してくれれば容認である。


この仕組みの一番問題点は、知識も見識も持たないボンクラ議員が目新しい物を視察してきた所で、何の役にも立たない事である。


良い例が某市長が公約に掲げる、ボランティア議員や地域委員会だと思う。


我が国日本では海外諸国と違い『寄付・献金』という文化が浸透していない。


だから、市民が応援する(支持する)政治家に積極的に個人献金する事もほとんどない。


更に日本では有名人(著名人)が公に特定の政治家を支援しているという表明をすることはない。


そんな過酷な条件でボランティアで議員が出来るはずがない。


なぜなら活動資金がショートするからだ。


そんな簡単な仕組みも理解出来ない議員が、海外に行っていろんなアイデアを吸収してきたところで、それを有効な施策に立案出来るのだろうか?


もう1つの問題点は観光旅行を巧みに便乗させているところだ。


先日も名古屋市議が海外視察に行き、偶然にも映画で話題となった『アマルフィ海岸』や『ボンベイ遺跡』を観光していたそうだ。それも行程を変更してまで行ったらしい。


議員だって人間。せっかく行ったのなら名所は見学したいだろう。


しかしこの海外視察は『議員の派遣』に該当するんです。


地方自治法第100条第13項

議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる。


あくまでも『議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるとき』に議員の派遣は認められるのです。


もし行きたいのなら堂々と大義名分を作って、名所に行ってもらいたいものです。




今日もある市議がブログで海外視察について取り上げていた。


市議は、『今までの海外視察で、議員が目的・場所を決めてきた。その報告書を元に名古屋市に影響・繁栄された施策はいくつあるだろうか?』という点に着目し、行政に確認したらしい。


行政の回答は、

【原文】

『その、報告書を元に施策が出来たなどを残す書類はありませんでして……』

【原文に対する僕の解釈】

『議員が提出する海外視察報告書を元に、施策が出来たなどという事実関係を記載している書類はない。』

(市議の文章があまりにも判り難いので若干補足してみましたが、文章の意味は変えていません)


そしてこんなコメントをされていました。

【原文】

『名古屋市としても、議員の報告書を元にされた施策を実施の記録が無いのは、何の為の予算なのか…』


このブログを見て感じたのは、たしかに市議が主張される内容(海外視察の具体的な有効性)は一定の理解は出来ます。


市民目線で見れば議員が海外視察に行って、どれだけの貢献をしているのか知りたい所である。


しかしそれが出来ないのは、議員活動が政務調査活動、選挙活動、政党活動、後援会活動等と多面
的であり、各々の活動を明確に区分することは困難だからです。


ましてや、市議の実績を行政が公表するなんて事は、捉え方1つで選挙活動の加担とも取られかねません。


そんな事を行政が出来る訳ないのです。


法律とはそんなものです。


参考までに政務調査費を引き合いに出しますが、これも地方自治法で定められているものです。


地方自治法第100条第14項

普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務調査費を交付することができる。この場合において、当該政務調査費の交付の対象、額及び交付の方法は、条例で定めなければならない。


地方自治法第100条第15項

前項の政務調査費の交付を受けた会派又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務調査費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出するものとする。


市議の主張を考慮すれば、政務調査費を活用し行政に貢献した場合も、海外視察と同様に扱わなければなりません。


この様に公金という出所は同じ場所でも、出す理由が違えば『同じ公金』とは言えないのです。


たしかに海外視察の有効性はあるでしょう。


しかし、それ以前にそのお金がどの様な経緯で捻出され、どんな意味があるのか理解出来ない議員にそのお金を使う権利はありません。


新聞記事の様な『観光』は立派な法律違反なのです。


ちなみに噂で聞いていますが、減税日本の新人議員は会派控え室に毎日いるそうです。


新人だから当然といえばそうなのですが、皆さん会派控え室を事務所の様に扱っていませんか?


会派控え室でブログをアップしていませんか?これは個人の政治活動ですよ。(厳密に言えば)


会派控え室で市政報告会のチラシを作成していませんか?これも個人の政治活動ですよ。(厳密に言えば)


他の会派と違い多くの光熱費を使用していませんか?議員活動にはいろんな要素が含まれているのです。


参考になるか判りませんが、堺市の『政務調査費の運用指針』をご披露しておきます。




http://www.ombudsman.jp/10seimu/sakaishi.pdf#search=' 会派と議員の関係'