俳優の香川照之氏が歌舞伎に挑戦する事が発表された。
彼は歌舞伎俳優である市川猿之助氏の長男(実子)である。
今までの歌舞伎界を見ると、ほとんどが世襲により継承されている。
実態を考慮すると、彼は生まれた時、歌舞伎界の将来を背負うべき立場であった。
しかし彼は2歳の時に親の離婚によって歌舞伎界と疎遠になっている。
今回の決断をどう見るべきか?
一般的なイメージとして、歌舞伎界は世襲によって継承する事を目的として、その家庭に生まれた者は幼い頃から個々の意思は尊重されず、継承する為の教育がされて来た。
これが良いか悪いかは別として、それだけ長い期間を費やさないと、歴史ある伝統芸能は継承する人が作られないと感じている。
生まれてきた『運命』を感じ、幼い頃からの教育の上に日々精進した人達があってこそ、今の歌舞伎が成り立っているのではないだろうか?
家系を絶やさない事と、伝統芸能を継承する事は少し事情が違うと感じる。
僕は香川照之という俳優は好きだが、長きに渡り精進してきた年輪だけは努力で勝る事が出来ないと思う。
彼にはそれを早々に理解して欲しいと願って止まない。