3月の東日本大震災発生が起因となり、全国的に防災対策や脱原発などが注目されている。
東海地方で懸念される問題は『液状化対策』だろう。
ただ専門家(過去ですが)から言わせれば、阪神大震災の時、ポートアイランドで発生した液状化被害を参考に、液状化する可能性がある対象土質が増え、対象深度も変更された。
これは震災がもたらした唯一の『功』の部分だったと思う。
しかし東京ディズニーランドは、それ以前に液状化に注視し、多額の費用を投じて地盤改良をし、建設されている。これはもう30年以上も前の話だ。そして今回の震災は最小限の被害で終わっている。
話はそれるが、不況と言われる今日のレジャー産業に東京ディズニーランドが君臨している理由は、この発想の差ではないだろうか?
濃尾平野に位置している各市町は今回の震災を踏まえ、液状化被害対策を考察しているようだが、濃尾平野の地形は、大きく分けて
①北東部の美濃加茂市等に見られる木曽川河岸段丘群
②各務原市等にみられる扇状地地域
③濃尾平野中央部の氾濫原地域及び伊勢湾沿岸の三角州(干拓デルタを含む)地域
に分けられ、液状化対象深度に分布する地層は沖積層(新しい時代の層)で構成されている。
要するに濃尾平野では昔から『液状化現象』が起きる事が想定出来る地域なのである。
僕から言わせれば、今更騒いで収拾出来るのか?疑問である。中途半端な政策になる様な気がしてならない。
それは都市を形成している大半は民地であり、宅地であるからです。
一般住宅に液状化対策の手当てをするとなると莫大な費用がかかります。
また補助金の類で手当てしたとしても、この不況下で対策を実施出来る家庭はどれ位あるのでしょう。
なら、なぜ一般住宅に液状化対策を施した基礎工法が普及しなかったか?
それは基礎工事に何百万もかかり、家が売れないからである。
建築業界は家本体がその地盤で倒壊しない基礎工法を提案してきた。(最低限の事)
それが現状である。けっしてそれが悪い事だとは思わない。自然の流れである。
ある団体が地域によって地質構成が違い、基礎工法の選定や費用の格差が生じるという事で、国に土地価格の評価に地盤構成も考慮すべきとの意見を、何度か陳情していたという話を聞いた事がある。
政治家はそんな経緯を把握し、防災(液状化対策)の政策を立案しているのだろうか?
いずれにせよ防災意識が高まってきた事はよい事である。
安心・安全な社会になってほしいと願ってやまない。