レッドラファールの引退により大きなショックを受けた私ではあったが、他の2頭が順調だったことが当時の私の気持ちを支えていた。今日は、その内の1頭であるレッドディアーナの話。


レッドディアーナは、その毛色や体形から父以上に祖父である大種牡馬サンデーサイレンスの特徴が良く表れており、募集前からその話題で持ちきりであった。また、育成から入厩まで非常に順調で、早期入厩デビューの話も出かけたものの、猛暑を嫌って秋の入厩となった。また、調教でも「ビューンと加速する」と評され、調教時計も世代トップレベルのタイムを叩き出していた。


そんなディアーナがデビューに向けて動き出し、最初の関門であるゲート試験を受験した。それまでのコメントから、軽く合格してくれると思っていたのだが、予想に反して1回目は不合格となった。その理由は、ゲートを出てからの加速だったと記憶しているが、振り返ればこの躓きが全ての始まりだったのかもしれない。


その後、2回目のゲート試験に合格し、デビュー戦も11月に決定した。鞍上は、武豊騎手にも依頼をしたようだったが、最終的にはその年絶好調の福永騎手に決定し、調教も順調に進んだ。私もデビュー戦に向けて横断幕を用意し、「確勝」を信じて疑わなかった。


そして、レース週の直前追い切りも優秀な時計を出し、ポリトラックでの調教を終了した。しかし、その後に熱発をしてしまい、デビュー戦が延期となる。そして、その後の検査で熱発の原因がウイルス性肺炎と診断され、ここから一気に応援掲示板が荒れることになった。


一方で、私はディアーナの復帰を心から信じ完治を祈り続けるのであるが、年末辺りから「どうやらかなり深刻な状況で、生死にかかわる状態だ」との情報が入り出す。そして、年が明けて最も聞きたくなかった知らせを聞くことになる。


レッドディアーナ、肺炎のため安楽死。。。


実は、ディアーナが馬頭観音様に埋葬されるにあたり、横断幕を一緒に埋葬して頂こうと思ったのであるが、何故か今も横断幕は私の手元にある。きっと、「いつまでも忘れて欲しくない」というディアーナの願いであると私は信じている。


そして、私の一口馬主初年度愛馬はレッドディヴィス号1頭となったのである。しかし、このレッドデイヴィス号が全てを背負うかのようなドラマティックな活躍を見せてくれることになるのであるが、私にはその後ろで微笑みながら見守るレッドディアーナの姿が間違いなく見えるのである。


レッドディアーナの冥福と、安らかなる時を祈り、ここに合掌。


(つづく)