一口馬主として愛馬を得てスタートを切った私が、まず最初に触れるのはレッドラファール。この仔はお嬢様というか何というか、育成時から担当を見下すような一面があったと報告されていた。いつもと違う人が手綱を引くと、いうことを聞かなかったりしたようだ。違った部分では、何となく雰囲気や顔立ちに個人的な親近感を持っていた部分もあった。因みに、私の顔は「馬面」ではないので悪しからず。


また、寒くなって来た頃から「コズミ」「スクミ」の報告がチラホラ聞こえるようになり、出資仲間も掲示板で色々な意見を書くようになっていた。しかし、一口馬主になって間もない私には、いまひとつ良く分からない部分も多く、「暖かくなれば良くなるだろう」と軽く考えていた。


そうする内に、動画による近況報告があったのだが、そこに映る愛馬の歩様は素人目にも明らかにおかしく、普通であれば4本の足が地面に着くタイミングは微妙にずれているのであるが、愛馬の場合は完全に右前&左後、左前&右後が同じタイミングで着地していた。これを見た時、初めてことの重大さを認識したのである。


しかし、ダイワエルシエーロも育成時にはコズミがあり、青草を食べさせて改善したことを伝え聞いた私はクラブに連絡をしたりもしたが、結果的に症状は改善せずそのまま競走馬登録をされることなく引退?となってしまった。その後は、下川辺牧場に戻り名前を変えて繁殖馬としてスタートを切ったようである。


一口馬主初年度愛馬の早過ぎる引退で私は大きなショックを受けたのであるが、実はこの後に更なる試練が私を待つことなど知る由もないのであった。


(つづく)