「自分のことを誰もしらない」土地に住みたいと思ったことは これまで何度もあった

 

自由になれる そう期待した

 

結局 そんな場所に住んでみたところで

 

本当の自由とは一体何なのかわからないまま

 

息苦しさを感じている

 

本質が変わっていないのだから

どこに行ったって 何をしたって 同じだろう

 

 

ただ かつて飽きもせず当然のように生活の一部だった交友関係を無くし

 

仕事と家庭の繰り返しのなかで

 

一人の時間の過ごし方だけは上達した

 

 

 

子供達が眠り 自分の時間が始まる22時からの数時間が  大切な「私だけの時間」

 

 

ウイスキーを準備して 私室のデスクで本を読み ノートに自分の考えをまとめる

 

 

地味でしかないこの作業に没頭する

 

 

B5のファイルにまとめたルーズリーフを捲ると 学生時代に戻ったような気分になる

 

誰かとこの気持ちを共有したい気持ちは膨らむけれど

 

まだまだ 自分は無知の泉に沈んでいる死体だ

 

 

何日も前から主人とは まともに口をきいていない

 

我が家に度々起こるトラブルは いちいち一撃が重い

 

私の心は 少しずつ すり減ってしまっている

 

いつもの調子なら あと数日で元に戻るかもしれない

 

それが夫婦というものなのか

 

すり減った心を 拾い集めて 元に戻すのは

 

自分か  夫か  時間か  ひいては  神か