髪を短くする | 肺がんぶっ飛ばし日記

髪を短くする

先週来やってきた検査の結果、脳、頭骨、脊椎などに癌が転移していることがわかった。脳の治療を優先するということで、頭部への放射線照射を行うことになった。放射線の照射は合計10日間、土日を含むので4月5日から2週間の治療となる見込みだ。主治医の診断に立ち会った担当看護師のKさんに聞いたところ10日間の照射の最後の頃にごそっと髪が抜けるという話だった。脱毛の副作用があることはもちろん医師もはっきりと言っている。


癌が複数の箇所に新たに転移しているというのは、ショックではあったが、現実に戻れば、治療は治療で避けて通りたくない。髪が抜けると無様になるから(均等に抜けないので)髪を思い切って短くすることにすることにした。いつも言っている床屋に予約を入れた。ほぼ予定時間に床屋に行き、思い切って短くして欲しい旨を伝え、仕事を始めてもらう。


床屋には、この病気で入院していることは話してあり、髪を短くする理由はくどくどと聞かれない。彼ははさみをせっせと動かし、思うように髪をカットする。鏡を掲げ、これくらいでどうですかと聞くのでもう少し短く、と注文を入れる。床屋はそれを受けてどんどん髪を短くカットする。私は近眼が強いので鏡に映った自分の髪の長さはよくわからないが、顔が長くなったように見える。これで、頭部への放射線照射への気持ちがすんなりと決まる。


私は、小学生の頃よりこれほど短い髪にしたことはない。スポーツ刈りにもしたことがない。不思議な気分で、鏡を見ても自分の顔のようではないように見える。1週間もすればなれるであろう。