今回は、有価証券についての「なぜ」を考えてみたいと思います。
 2級の有価証券・社債の範囲を勉強していて、不思議に思ったことが3点ありました。それは、次のようなこと。

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なぜ2つの方法によって二重に利息をつけるのかということ。なお2つの方法とは、1つはクーポンによる利息、もう1つは額面価額と取得価額に差額をつけることによる金利調整差額

・満期保有目的債券を途中売却した場合の仕訳はどうなるのか。

・打歩発行の意義。
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 まず1を調べてみたところ、下のような理由がありそうです。

 ・社債などの長期金利相場は常に変動している
      ↓
 ・だが、特定の社債に着目した場合、発行されてから満期まで金利は変わらない。
      ↓
 ・ここで、5年物の社債を2年目で途中売却するという例について考えると、金利相場がその1年で上昇してしまっていると、もし額面のままその社債を買うと購入者は損をすることになる。そこで、利息を長期金利市場の変動に合わせるために金利調整差額を発生させる。

 ただ、この流れは非常に分かりやすいのですが、この考え方だと発行時に割引・打歩発行する意味まではわかりません。そこで、もう少し調べてみたのですがイマイチ現段階での知識で理解できるような記述は見当たらなかったため、少し自分で考えてみました。以下、想像のため真偽不明。

 *ここから想像
 クーポンによる利子と金利調整差額による実質的な利子の支払はタイミングが違う。クーポンであれば期日が到来するごとに利子を払うが、金利調整差額による利子は満期が来たときに一括して支払うことになる。もちろん、会計上は償却を行って期間中に等しく費用化することになるが、キャッシュの動きに関していえば、このような違いが起きる。そのため、企業にとっては同じ金利であればクーポンよりも金利調整差額を利用した方が長くキャッシュを保持することが出来、その分を投資などに回すことが出来る。

 さて、想像があっているかどうか。頭の良い人、知識のある人がもし見ていらしたら、どんどん訂正してくださいね。

 次に2を調べてみたところ、これには新たな科目が必要なようです。売買目的有価証券の売却益には「有価証券売却益」という科目を用いましたが、満期保有目的債券の場合はそれを「投資有価証券売却益」に置き換えるようです。これは、1年以上保有する予定の債券などのことは「有価証券」ではなく「投資有価証券」と呼ぶことによるらしいです。社債の他に、持ち合い株などの長期保有目的の株や未公開株などの市場での価格がない株もここに分類されるとのこと。

 そして3なのですが…いくら調べてみても納得の行く説明には行き着きませんでした。机上勉強の限界なのか、通信教育の限界なのか…そのうち分かったときにでもまた続きを書こうと思います。とりあえずここまで!
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 前々回(簿記を規定する法律ってあるの?)前回(企業会計原則を読む) の記事では企業会計原則についてみてみましたが、風の噂によると(?)企業会計原則はもう古いらしいです。いや、もちろん現状では原則として機能しているのだけれど、今は新しい基準が策定されているとのこと。今回はその新しい基準、概念フレームワークについてみてみたいと思います。なんだか簿記からはどんどんはずれていくけれど…でも楽しいからいいよね!勉強は楽しくやらねば。

 で、早速ですが企業会計原則と概念フレームワークの大きな違いを見てみたいと思います。それは、企業会計原則は実務における慣習を要約したものという建前であるのに対し、概念フレームワーク既存の基礎的な前提や概念を要約するだけでなく、吟味と再検討を加えた結果が反映されており、将来の基準開発に指針を与える役割も有するということ。具体的には、企業会計原則と概念フレームワークには次のような記述があります。


 企業会計原則・前文から抜粋
 企業会計原則は、企業会計の実務の中に慣習として発達したもののなかから、一般に公正妥当と認められたところを要約したものであって……

 概念フレームワーク・前文から抜粋

 概念フレームワークは、将来の基準開発に指針を与える役割も有するため、既存の基礎的な前提や概念を要約するだけでなく、吟味と再検討を加えた結果が反映されている。……(中略)……その役割は、あくまで基本的な指針を提示することにある。……
 
 概念フレームワークについて詳しく勉強したわけではないのであくまで私感ですが、上の違いは極めて重要だと思います。企業会計原則は慣習という既存の事実の積み重ねから規則を作っているのに対し、概念フレームワークではそれを更に発展させて、既存の事項だけではなく未来の会計基準にも影響を与えようというのですから。また、こう考えると"概念"フレームワークと、あえて概念という言葉をつけていることも少し理解が出来るような気がします。将来的な会計基準にも影響を与えようというのですから、具体的なことなど示すことは出来ません。だって、今は存在しないものを詳しく説明することなんて不可能ですよね。だから、概念なんです(たぶん)。

 また、この概念フレームワークが細かな取引の規則ではなく、あくまで概念を表しているということは非常に重要だと思います。取引の細かな規則などは時代の状況や要請に合わせて若干変化していきます。そのようなとき、いちいちそれに合わせて全てが変更されるのでは、なんだか安定しないというか、何が基準なんだかよくわからなくなってしまいますよね。そんなとき、もちろんその細かい規則などはやはり時代に合わせて変更していく必要があるとしても、その大元に概念フレームワークというゆるぎのない大原則があればなんだか安定する気がしませんか?
 また、そもそも全く新しい商取引などが発生した場合には何を拠り所にして規則を作っていけば良いのかよくわかりませんよね。こんなとき、細かい手順ではなく"おおまかな考えかた=概念"が規定されていればそれを根拠にして規則を策定していくことが出来ます。このようなことから、概念フレームワークは会計の憲法とも言えるのではないでしょうか。

 なんて、概念フレームワークをだいぶ持ち上げてみましたが、まだこの概念フレームワークは「討議資料」という位置づけでしかありません。理由としては、国際財務報告基準における概念フレームワークが現在策定中だからということらしいです。
 尚、なぜ日本における概念フレームワークが国際的な基準の影響を受けるのかというと、日本が国際財務報告基準(IFRS)へのコンバージェンス(収斂)への取り組みを行っているからです……と書くと難しいですが、ようは日本も世界の国々においていかれないように国際的な財務報告基準を導入しようと模索中だから、その国際的な財務報告基準における概念フレームワークが策定されるまでは、日本で勝手に日本独自の概念フレームワークを決めないほうが良いよねーということらしいです。なお、なぜ収斂などという言う方をするのかというと、あくまで現在は完全採用(アドプション)ではなく、国際基準への歩み寄り=収斂=コンバージェンスが行われているからです。なお、コンバージェンスの後にはアドプションが想定されるわけですが、日本では2015年以降でのアドプションが想定されているようです。ただし、基準を満たした企業に関しては既にIFRSの任意での採用も認められています。

 そろそろ頭が疲れてきましたね…今日はここまで!