オンナとオヤジが近づいてくる。
距離にして、およそ2,5メートル。
オヤジが店に入ってくるまでの数秒で
2~3発殴られる覚悟で逃げ切る作戦を考える。
無理だ、逃げられない!ヤバイ!
入ってきた!ヤラれる。
オヤジがタバコをくれる。
(中国では基本的な礼儀作法だ)
「この人ここの用心棒なの。警察とか心配でしょ?じゃあ上に行こっか。」
と女。
アドレナリン出まくりで、ビビリまくっている
おれはすぐに判断がつかず、オロオロする。
オヤジがタバコに火を付けてくれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?あ?そゆこと?
数秒考え、ミョーに納得してしまった。
(今考えると、これで納得するのもアホな話だ、危険すぎる)
「早く早くっ」
と即す女と薄暗く、狭くて急な階段をギシギシいわせながらニ階に上がる。
この時点ではもう完全に開き直っていた。まさしく「どうにでもなれ状態」
そこに明かりはほとんど無く、80cm×170cmくらいの、ち~さなベットが
カーテンで仕切られただけで、4~5個並んでいた。
微妙にカビ臭く、他にも汗や体液の匂いが混じりあってる。
その匂いで、この場所でもの凄い数の行為がわれたことが頭に降ってきた。
少し複雑な、嫌な気持ちになる。
ベットは固く、薄汚れている。
シーツも少し湿っているようだ。
一番奥のベットに腰を下ろす。
女が隣に座ってきた。
「いくら?」 と、おれ。価格交渉開始だ。
「なにが?」
「なにってあれだよ。」
「あははは、あれってなによ。」
このやろう、わかってるくせに言わないつもりか。
「で?いくら?」
「ん~、一番安いのが 2 、その次が 6 、一番高いのは 8、かな。」
安い順番に、手、口、本番。ってことだろう。
もちろん本番を選んだ。
早速ジーパンを脱ぎ始める女。
スタ~ト~
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ピリリリリッ。ピリリリリッ。ピリリリリッ。
こんな時に電話してくんじゃねー!誰だ!くそったれが!
は!ヤベェ!姐御だ!
ピ!
「はい、もしもし?」
「あ?○田さん?いまどこ?」
「ん?ん~まだ外をブラブラ歩いてますけど。」
(ウソ付け!思いっきり女が上に乗っかってるじゃねーか!)
「どれくらいでもどれる?道に迷ってない?」
「あ~ぜんぜん大丈夫ですよ。しばらくしたら戻ります。」
「あらそう。じゃあよかったわ。帰りにスイカ買ってきて。」
「ス、スイカっすか?わかりました。一個でいいですか?」
「そうね~」
ここで、上に乗ってる女が動き始める。ニヤニヤしながら。
「うおっ!じっ、じゃあ、スイカ買って帰りっます!んで!あは!」
「ねぇ、ホントに、だいじょうぶ?」
「大丈夫ですから、だ、大丈夫ですから、じゃ、あとで。」 ピ!
この女。やってくれるわ・・・・・・・・・・・
女はしてやったりと、クスクス笑い、楽しそうだ。
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終了~ プァ~~!
もちろんシャワーなど無い。
ティッシュで拭いて終わりだ。
服を着て女と1階に下りる。
オッサンがタバコを吹かしていた。
一番心配な金を払う瞬間がやってきた。
先に 「8」 と言われていたのだが、
一応、聞いた。「いくらだっけ?」
ボラれるのではないか、とかなりドキドキだ。
このオッサンには勝てそうにない。
「80元。」
は?なんとおっしゃいました?
80元? おれはてっきり、800元だとばかり思っていた。
800元だと給料の8割なので
今月は、餓死しないかしらん?と心配していたのだが・・・・・・・・
80元と言えば、日本円で約1040円だ。
千円と消費税?なの?
100元支払い、オッサンボクサーから20元を受け取り、
「また来てね~」と二人に見送られて店を出た。
スイカを買いに行った。
ついでに、飲み物と髭剃りなどを買った。
83元だった。
ビニール袋に入って
揺れるスイカが妙に重かった。