朝はみんな早起きして今か今かと、中国到着を待ち望んでいた。

陸影が見えはじめ、だんだんデカくなる。

港のようなところに近づき、

到着か!と思いきや、船は海から川へ進入し、登って行く。

川の周りには造船所、工場が雑然とひしめき合っていて、

それだけで日本ではありえない光景だ。


それでもだんだんと、町並みがキレイになってくる。


あれ?見たことあるな・・・


ここってまさか・・・・・・・・・・


着いちゃったよ上海!!!!!


2年前に来たときと同じ匂いがする。

2年前に来たときと同じ様に空気が肌にまとわりつく。

この匂いが、空気が中国だ。とてつもなく中国だ。(別に臭いわけじゃない)


もう二度と会うことは無いであろう仲間達と最後の朝ご飯を食べる。

「中国に着いてから、この船のような楽しいことがこの先あるんだろうか?」

と、小野瀬さんがポツリ。


あんたさ~それは言っちゃいけないでしょう。

みんなそれは言いたくても言っちゃいけないことなんです。たぶん。


というか、あるにきまってんだろうが!!

人口13億、高度経済成長真っただ中、

新・旧、整理と雑然、金持ちと貧乏、都会と田舎、

グチャグチャとピカピカが混在するこの国で面白いことが無いわけがない!


パッキングを済ませ、仲良くなった船員達にさよならを言う。


船を下り、港内をバスで移動、

入国手続を済ませ、みんなとハグして別れる。

「いい旅を!」


二年ぶりの上海の空気の中をドキドキ一人満喫しながら、待ち合わせ人を探す。

いた!いた!日本人だか中国人だかわからない。K木さん


「お~、無事についたか。おじいさんは元気にやってるのか?」

まったくこの人は、開口一番これである。なぜかウチのもうろくジジイが大好きなのだ。


とりあえず、家に連れて行ってもらって、酒を飲みに散歩にくりだす。