朝早い便で、上海虹橋空港から、安慶に飛ぶ。


空港でK木さんにまたもや、「天ぷらそば」を食わされる。

「最後の日本食になるから食っとけ」だとさ。


一時間半後には二年ぶりに安慶のしょぼくれた空港に立っていた。


この時はまさか一年以上もこの町にいることになるとは思っていなかった。



セキュリティチェックも荷物の流れるコンベア-もない空港を出ると。


そこにガマガエルのような白髪の体躯のいい、芯の強そうなオヤジが居た。

K木さんに紹介される。


「O田と申します。宜しくお願いします。」 と私。


「こちらこそ、S水と申します。」 とガマガエル。


握手をしながら、嬉しそうにオレのバックパックを見て言った。

「俺も昔はこんなの担いでよく山に登ったもんだ。」

一目でこのオヤジが好きになったが、

これがオレとS水さんの因果の始まりだった・・・・・・・・・