氷ノ山に続いて狙っていた滋賀県と三重県の県境にある竜ヶ岳1099mに登った。名神八日市ICより国道421号を桑名に向かって20km走ると石榑(いしぐれ)トンネルをくぐる。この4kmの長いトンネルを抜けるとすぐに宇賀渓の看板が見えて有料駐車場がある。1日500円の駐車場では登山用の地図と登山届を提出できるようになっており、通常はここからの登山が一般的だ。実は離合不可の旧道を石榑峠まで車で登って5台程度の駐車スペースに駐車して竜ヶ岳を目指すと1時間ほどの距離だけれども、こちらはあまりお勧めできない。何せ道がホントに狭い酷道だし、峠は鎖で封鎖されていて県境を跨げないようになっているからだ。

宇賀渓キャンプ場

結論としては登山はただ頂上に着けば良いというものではなく、その過程も重要ということで、宇賀渓キャンプ場の有料駐車場に500円払って駐車して登ることにする。駐車場には観光案内所が工事中で仮の案内所で登山届を書いてポストに入れて出発する。舗装された林道を500mほど歩くと車はそれ以上入れなくなり、いきなり渓谷の沢を頼りない木の橋を渡って登り始める。

渓谷沿いの登山道をどんどん進むと途中に「遠足尾根登山道」や「金山尾根登山道」などの複数のルートの入り口を越えて「中道登山道」を進むことにする。中道登山道ルートは他の尾根ルートことなり沢ルートになる。沢ルートは登山道を見失い易いので私は普段なるべく安全な尾根ルートを登るのだが、今回は初めてと言っていい本格的な沢ルートを登ることになる。そして案の定何度もルートを見逃してあっちこっちに迷いまくることになった。この時、観光案内所で手に入れた登山マップに百以上のマークの番号が記載されてたことが不思議だったが、実際に登ってみるとこれだけ迷い安いルートだと細かく現在地が判るマークが必要だったと身をもってしることなった。

沢の美しさは別世界

とにかく中道登山道の沢ルートは美しかった。沢のせせらぎと美しい緑の中で河原を進んでくと野鳥の鳴き声が何ともマッチしてうっとりするような光景が広がっている。途中に何度もコンクリート製の堰を越えることになるが、それでも1つ越えるたびに広がる風景は風情がある。大きな堰では鉄の梯子を上るところもあり、このルートを降りてくる登山者と3名遭遇したが、ここは登るのが良くて、降りるには適さないルートだと個人的には思っている。

沢を越えると急坂が続き、急に視界が開けて頂上付近の草原に到達する。遠くに竜ヶ岳の頂上と、他の登山口から頂上を目指す尾根道が一望できた。

頂上尾根は遮るものがなく、強風が吹き荒れている。快晴の日にこの風なので、悪天候ならひどいことになりそうだ。竜ヶ岳頂上には2名の先客しかおらず食事をして展望を楽しむ。360度のパノラマビューで桑名、四日市方面も一望できる絶景だった。

石榑峠

草原沿いに石榑峠を目指す。このルートは最短ではあるものの砂地の急坂が続くのであまり面白いルートではない。尾根伝いではなく山腹をジグザグに降りていくルートだった。下りは40分ほどで石榑峠に到達。車が2台ほど停まっていた。峠から封鎖さえた関所を越えて三重県側の舗装道を500m降りると再び登山道に戻れる。こちらは砂山という風化岩の山を通るルートで基本尾根ルートだが狭くてアップダウンが激しく迷いやすい。またスマホの登山道アプリにない遊歩道が縦横に存在しており、行って戻って迷いまくった。最後は諦めて遊歩道を観光案内所まで戻ったが、舗装道(車道)を4kmも降りるよりは楽しい下山となった。
竜ヶ岳の山域は頂上をどんどん縦走できるような開けた山頂になっており、一度は挑戦してみたい。この場合は、車ではなくバスを利用するなどしてルートを検討しないといけないだろう。