「夫婦とは」 作家が感じた 違和感を
ほんの少しの 怖さで味わう
- 異類婚姻譚/本谷 有希子
- ¥1,404
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芥川賞受賞作。ずっと読みたかった。
ある日、自分の顔が旦那との顔とそっくりになっている
ことに気付いた主婦のサンちゃん。
家では怠惰にすごすばかりで何もしない旦那と生活して
いくうちに、自分と旦那がだんだんと同化されていくのを
感じていくー
表題作のほかに、
<犬たち>
トモ子のバームクーヘン
藁の夫
の3編が収められています。共通項は夫婦?主婦?
あ、<犬たち>はちょっと違うかもしれませんが、夫婦生活
を暗喩しているとはいえるかも。
それぞれ夫婦の同化・反発・見ないふりーを書いているのか。
結婚すると、夫婦が似てくるっていうことは結構言われます
よね。
同じ物を食べているから、とかいろいろと聞いたような。
でも単純に生活してくると、お互いのしぐさとか言葉とかが
同じになってくるのはわかります。
同じことで笑ったり、ちょっとした言葉でわかりあったり。
その違和感を描きだしているように感じました。
夫婦が同化してくる様子と、「楽をする」ということ。
旦那はサンちゃんが「楽をしている」と思っている。
(サンちゃんも、その下心があったうえで結婚しているのですが)
そんなサンちゃんに同化したくて、厳しい現実から逃げたくて・・・
人の形をなくしていく、サンちゃん。
旦那との間に、何物も
「挟まないことに、したんだ。」
うーん、私はそれは嫌だなぁ。
サンちゃんは最終的には、あることを言ってしまう。
旦那はその言葉に、のる。
作家が夫婦の間のことを冷静に見ると、こういう小説になる
のだなぁ。
作家の持つ「第3者の目」は冷たくも、怖いものだなと感じ
ました。
★★★☆