宝塚の 対ともいえる 存在を
描いて見せる 圧巻の世界
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「男役」は以前に読んでいて感想を書いてなかったので
まとめての文章ですが、きっとそのほうがわかりやすいかと。
宝塚歌劇団と言えば、世界で唯一の女性だけの劇団で
100年を超える歴史をもつ。
「男役」という稀有の存在を生みだし、今もなお人気を誇る。
・・・と書きましたが、私は未見です(ノ_-。)
しかし、音楽学校の合格発表の風景は季節の風物詩ですし、
芸能界で活躍する女優さんたちで、宝塚の出身者は多い
のでその存在はもちろんしっていました。
「男役」では、その特殊な存在を描くために、劇場にすまう
「ファントムさん」というファンタジーな存在を置いています。
そのためか、現実の宝塚・・・というよりも、かなりファンタジック
な感じになっています。
主役についても、ラストまでその成長ぶりを追う、というようにも
なっていないので、尻切れトンボ感が残念でした。
しかし「娘役」のほうは、宝塚ファンのヤクザの親分さんを主役
の片方に据えることによって、物語もイキイキと動いていきます。
娘役としての裏側はほたるに語らせて、ファンとしての裏側は
親分である片桐に語らせる。
悲しい終わり方ではありましたが、小説としては「娘役」のほうが
優秀だったと思います。
「男役」 ★★★
「娘役」 ★★★☆