冥の水底/朱川 湊人



¥1,944

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初朱川作品です・・・のはず・・・いや花まんま読んだかな・・・


でもたぶん初です(いい加減な私汗




2段組で分厚い。しかしなぜか手に取ったときから、


「面白いに違いない」と確信してました。


第6感??(^∇^)




最初から引き込まれてしまったので、長さは全く感じなかった


です。「つかみはOK」な本ですな。






離婚して宿直医として病院を渡り歩いている市原。


高校の同級生で友人のルポライター・平松光恵から見せられた


のは狼男の死体検案書・及び死体写真だった・・・


その平松は行方不明となり、市原のもとに平松の手帳が


託される。


手帳に残された「マガチ」とは何なのか。調べ始めた市原と


血のつながらない息子・一真に何者かが忍び寄るー






この市原の行動と、マガチであるシズクが初恋の人である


麻弥子に宛てた、数十年前の出せるはずのない手紙とが交互に


記されます。


それによってマガチとは何か、シズクの一族はどのような人々なのか


が徐々に明かされていきます。




シズク一族の住む「シャバ」を束ねるズシ様の言葉は悲しい。


「今の生はしくじったと思え」


マガチに生まれてきたことは「しくじり」だから、人の眼につかぬよう


ひっそり生きてひっそり死ぬべきだー




民俗学は私も少し大学でかじったことがあるので、山の民の成り立ち


や悲しい歴史はなんとなくわかります。


そのうえの異能の持ち主たち、マガチ。


―近くの里の人たちからどのように差別されていたのか、わかりますよね。






そんなマガチのシズクは、人間である麻弥子に恋をしてしまう。


その恋はかなわないし、シズクもそんなつもりはないけれど、宛てのない


手紙を書いているうちに、麻弥子が「カンノンサマ」のような存在になって


しまう。




その麻弥子とシズクはどうなってしまうのか。




シズクの一途な想いが悲しい。






市原が殺人犯として指名手配されかけているのに、一真の母である


明日香がそのことを知らずに一真を預けていることや、不倫の末に


市原を裏切った明日香のことなどちょっと納得できないところはあった


けれども、おおむね上質の小説だったと思う。




朱川作品、また読んでみたい。








★★★★