アクセス数が昨日より増えて、うれしいぼのさんですキラキラ


特に文章力があるわけでなく、見やすいブログでもなく

ためになることもないのに・・・

うれしいですヾ(@^(∞)^@)ノ




晴天の迷いクジラ/窪 美澄
¥1,620
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この作家さんは初ですが、題名が気になっていました。

「ふがいない僕は空を見た」とか印象的な題名が多くない

ですか??

気になっていても手は出なかったのですが、ぐるっぽで

紹介されている方がいたので、背中を押されました。

あらすじ~

デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。

社長の野乃花は、潰れていく会社とともに人生を終わらせる

決意をする。

死を選ぼうとする野乃花を止めるための自棄の提案が「湾に

迷い込んだクジラを見に行くこと」。

野乃花の生まれ故郷に近い半島の道中で2人は、母との関係

で壊れかけた心をもつ正子を文字通り拾い上げて3人はクジラ

を見に向かう―

いや~、痛いし重い。




1章は由人の辛い少年時代をたどる。3人兄弟で唯一母親から

愛情をもらえなかった由人。

しかしあふれんばかりの愛情をもらった兄と妹は壊れてしまう。

由人が感じた家族との関係、可愛がってくれた祖母と母の関係。

読んでいて、辛いくらいの関係だ。

2章も辛い。

野乃花は貧しくて、絵を描きたいと望むことすら許されない環境。

担任の好意で絵画教室に通うことになり、自分が生きている意味

を見出すがそこの先生と関係を持ち、妊娠。

望まぬ妊娠・玉の輿と言われる結婚。

当然子供が生まれても、まったく愛情を感じず虐待寸前になる。

ある夜、子供を捨てて出奔するのだが、本当にこまやかに書かれて

いて、わかりたくないのにわかってしまう。

自分の環境は自分では選べない。わかっているけれど、あまりにも

才能を持つものにとっては過酷だったろう。

3章ももちろん辛い。

赤ん坊のときに亡くなった姉をもつ正子。母は姉を死なせたのは自分

だとずっと思っていて、その思いは正子に向かう。

神経質なまでに正子を囲い込む母。

それが当たり前だったときはよかったが、高校で信頼できる友ができた

正子はその友を失ったときに自分も壊れてしまうのだ。

この3人の家庭環境の辛さに、きっと自分を重ねる人もいるのではないか。

そういう意味では、この本は自分を抉り出す本だと思う。

ここまでではないけれど、兄弟で差をつけられた人もいるだろう。

お金がなくて好きなことをできなかった人もいるだろう。

母や父から過剰な束縛を受けている人もいるだろう。

そういう人には辛い。

そうでない私でも辛いのだから。

この3人が変わっていくのは、迷いクジラを見ていて声をかけてくれた

ばあちゃんと雅晴だ。

2人ともに「死」に対する恐れをもっていて、だからこそその言葉は

「死」を考えた3人の心にせまってくる。

雅晴が由人に向かって言う言葉

「絶対に死ぬな。生きてるだけでいいんだ」

これが本書の一番言いたかったことだろう。

病気や事故なら、あきらめもつく。しかし自分で自分の命を絶つことは

周りの人の時も殺してしまうことになる―

そういっているように思えた。

湾のクジラは奇跡的に自分の力で湾外へ泳ぎだす。

正子も、自分の口で母に告げるべきことを告げ、由人と野乃花は

会社再建にむけて歩みだす。

希望が持てる終わり方でよかった(^∇^)

★★★★