◆元三大師関連寺院 (5)浮岳山 昌楽院 深大寺(東京都調布市)No.2 |       慈しみに恵まれて~豆々朗師のオモシロ寺社巡り~       

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 決して熱心な宗教の信者ではありません。
 ただ寺社で目につく面白い事物をコレクションしてきました。 

◆元三大師関連寺院

(5)浮岳山 昌楽院 深大寺(東京都調布市)No.2

 

深大寺ホームページ【厄除元三大師 深大寺】東京都調布市 (jindaiji.or.jp)

 

私は鬼大師像を拝観した後、撮影した美月の背後に貼られた『元三大師』という文字の下に、日干しになったバッタのような妖しいシルエットを偶然発見したのです。

 

                  (深大寺6)
 

「はて、どこかで見たような?」
 

それが2020年12月に上野寛永寺両大師(前述)で見た角大師だと気づくのに時間はかかりませんでした。

 


(深大寺7)
 

もちろん鬼大師も元三大師良源の変身形態ですが、このふざけた姿の角大師が、都内でも有名な深大寺と上野寛永寺で祀られていることに驚きを禁じ得ませんでした。
 

「角大師とは一体何者?」
 

いくら信心に不熱心だったとは言え、60年も生きて来て、これだけ不思議な姿をしたお大師様を知らなかったのは汗顔の至りです。
 

そもそも大師なるものは、京急の大師線と川崎大師、それと年末年始にテレビのCMで観る西新井大師、佐野厄除大師ぐらいしか知りませんでした。
 

敢えて自己弁護するのであれば、私の実家があった横浜市中区に天台宗寺院が少ないこと、また美月は日蓮宗大本山池上本門寺の近くに住んでいたからかもしれません。
 

ここから私達の元三大師研究の旅がはじまったのです。
 

研究者たる者、まずは資料や文献の類を収集することから始めなければなりません。
 

直ぐに授与品売り場へ行き、角大師グッズを捜すことにしました。

 

                   (深大寺8)
 

これは絵馬ですが、厄除元三大師として、吃驚お目目のとぼけた角大師が描かれています。
 

この目の描き方は先に出した上野寛永寺の角大師に似ているのですが、本来の深大寺角大師は下の護符に描かれたパターンが多く見受けられます。

 


(深大寺9)
 

おそらくは護符の描き方が旧式で、近年は少し可愛らしい姿に変えたのではないかと私は想像しています。
 

しかしここで新たな難敵となる豆大師が忽然と姿を現したのです。
 

後に上野寛永寺にも豆大師護符があることを知るのですが、この時はたくさん並んだ坊さんに何の意味があるのか全くわかりませんでした。
 

どちらも元三大師の名があり、その後に「降魔札」と「利生札」と書かれています。
 

降魔とは釈迦八相の一つで悪魔を降伏させることであり、利生とは仏や菩薩が衆生を救うことを言うのですが、同時に授与頂いたシール式の護符を見て意味がわかりました。

 


 

                   (深大寺10)
 

降魔である角大師は魔物を家に入れないため玄関の外に貼り、利生である豆大師は家内に福をもたらすよう玄関の内に貼るわけです。
 

角大師と豆大師の護符をセットにしている寺院は多いのですが、明確に意味と貼り方を指示しているのは深大寺ぐらいで、双方外に貼ったりする地域もあるようです。