久しぶりに本の感想なるものを書いてみよう。
実はツイッターにごく短い感想を載せるようになったため、
ここに書く意味が減ったんですが、まあ、あそこで書ききれないこととかを
ここに書いてみるのも面白いかと思い、再開です。

なので、ここに書かれる感想風の事はかなりいい加減です。
そして、私は非常に誤読が多いです。

今回、誤読された本は、コレ。

不干斎ハビアン―神も仏も棄てた宗教者 (新潮選書)/釈 徹宗

¥1,260
Amazon.co.jp

もちろん、図書館で借りました。

ハビアンという人の本。この人が面白い。(面白いと言ったら不謹慎かも)
元々禅僧であったのに、キリシタンに転向、その後キリシタンを棄教してしまったという、いままで私が知りえなかった人。

面白い。それもキリシタンを棄教する時には、同じキリシタンの女の人と連れ立って、出ていくという。まあ、アニメかドラマになりそうな人。

それだけでも面白いが、ハビアンはキリシタンの時にキリシタンはほかの宗教と比べて何処が素晴らしいかを書いた本を書き、それで有名になった人で、キリシタン側の論客の第一人者。仏教等の欠点をあげ、如何にキリシタンが優れているかを力説していたのがハビアン。

なのに、

女の人と連れ立って、棄教。

その上、自分の書いたキリシタンの本を下敷きにして、その上で、キリシタン批判本を書いて、キリシタン批判をした。

面白い。キリシタンといえば、テレビでおなじみの「踏み絵の踏めない人、魔鏡や仏様に隠したマリア像を拝む人」といった熱烈信者しか思い浮かばないが、実際にはこのような入信、棄教をした人物もいたんだなあって思います。

この著作にもありますが、このハビアンがそれほど、強い宗教観が無かったのもあるでしょうが、キリシタンを取り巻く環境も彼の行動を起こさせる原因だったのではないでしょうか。

さて、この本ですが、
ハビアンの著作「安貞問答」(キリシタン支持本)と「破提宇子」(キリシタン批判本)の解読が中心に進みます。それはそれで面白いのですが、

その他にも見る点があります。
それは、「キリシタン」です。
単純に見れば、キリスト教ですが、実は違うというのがこの本で分かります。

当時のキリシタンでは造物主である神を中心に据え、世界を作ったのは神(デウス)だから偉いとの論調が中心だったのが特徴です。だから、三位一体説はあまり重視されていないのです。
なので、テレビなどで誇張して作られている「キリシタン」は正確ではないという事です。ですから、「島原の乱」にしても現在的なキリスト教としてみるのはかなり危ないのではないかと思います。

他にも、ハビアンに対して現在の人はどう見るかについても面白い。
当然のようにクリスチャンの作家はハビアンを批判的に見ており、他の宗教学者は自分と同じ宗教学者として見ているところが強いみたいです。
同じ人の同じ文章を見てもそのような違いが生まれるのは、当然ではあるんですが、忘れてしまうことの多い点なので、気をつけて行かないといけないなあと思いました。

と、まあ、色々と勉強になる本でした。
キリシタンに興味ある方はお読みになってもよいと思います。ハビアンにおける仏教、道教、儒教との違いの説明等は理解するに当たっては有意義だと思います。

くどいですが、キリシタンとクリスチャンは違いますよ。