「対馬の誇り」「観光チャンス」 「朝鮮通信使」世界記憶遺産に登録 記念イベント計画 交流の歴史発信

2017年11月01日 06時00分  西日本新聞

今年8月、対馬市で行われた朝鮮通信使行列の再現パレード


朝鮮通信使関連資料が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録され、通信使とゆかりの深い対馬市や壱岐市の関係者も喜んだ。県内では2015年の世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」に続く快挙で、記憶遺産は初めて。海外との交流拠点として発展した歴史を内外に発信する機会となりそうだ。

江戸時代、通信使交流を取り仕切った対馬藩。市内では1980年から通信使行列を再現するイベントを続ける。朝鮮通信使行列振興会の稲田充会長(61)は「登録を機に対馬の歴史が多くの人たちに知られ、子どもたちにも島に誇れるものができたのではないか。今後も当時の衣装と行列の再現で華やかに盛り上げていきたい」と語った。

昨年、対馬に訪れた韓国人客は過去最多の約26万人に達し今年も更新ペース。対馬観光物産協会の江口栄会長(62)は「登録をきっかけに観光客が増えることが予想され、チャンスと捉えている」と期待。「ソフト、ハード面の整備を進め、皆さんに喜んでもらえるような対馬づくりに尽力したい」。

市文化交流自然共生課係長で、釜山側と共同申請したNPO法人「朝鮮通信使縁地連絡協議会」(縁地連)事務局長も務める小島繁樹さん(39)は「(来年2月に予定する)祝賀イベントの準備で大忙しになる」と笑顔で対応に追われた。

県も31日、庁舎に登録を祝う懸垂幕を掲示。11月30日~12月2日に長崎市の長崎歴史文化博物館で資料の写真パネル展、同2日に講演会をそれぞれ開催する。

中村法道知事は「(対馬と釜山の)両団体の努力と熱意に敬意を表する」とした上で「県としても隣国同士の平和に貢献した通信使の歴史的意義やその根底に流れる『誠信交隣』の精神を情報発信し、地域間交流の発展に取り組む」とコメント。

登録資料の一部がある壱岐市の白川博一市長も「壱岐の先人が残したものが認められ、大変名誉で喜ばしい。登録を機に、韓国をはじめとする海外との交流をさらに進めていく」との談話を出した。

=2017/11/01付 西日本新聞朝刊=

※予想どおりのホルホルですね~(T . T)