九一年五月には、私が受任しているカップルの数が一〇組をこえ、私は、ますます追いつめられた状態になってきた。

そんななか、梓沢弁護士の受任しているアティクルとみさ枝は、九一年五月、入管へ行く決心をした。

アティクルは、八九年五月、みさ枝との結婚を決意し、二入は、翌六月から内縁の夫婦として同居を始めた。

九〇年五月、「デイリーヨミウリ」等の英字新聞の不正確な記事により、いわゆる「入管パニック」が起こった。

期限後滞在者は、入管に出頭しなければ全員逮捕され、懲役三年に処せられる、との当時の噂に不安に陥ったアティクルは、ともかく、入管へいって様子を見ようと大手町へ行った。