15:05-16:40 七ツ寺共同スタジオ 2,500円


ネタバレあります!!!
ご注意下さい!!!

 


14:40頃から、看板女優の1人亜由子さんが登場。
音楽に合わせて?同い年という作家の詩を朗読。
作家名や本のタイトルは覚えてない・・・
生や死、個人、自身について関わりの中で感じたことを思うままに綴っているような印象。


作・演出:渡山博崇
【ストーリー】
桜音子は、兄タイガー・カーの帰りを団子屋をしながら夫の桜玉吉と待っていた。
住職や、兄の初恋の人津田音子が近所で見かけたと知らせてくる。
帰り難いのだよと休憩でやって来た隣の銃の玉工場の社長佐分利誠が話していると、タイガーが帰って来る。
タイガーは傭兵で、同盟国を守る為に、色んな国で人を殺しているのだった。仕事として。
居なければ懐かし気に待ち、居れば喧嘩のイカ社長とタイガーの毎度のやり取りがあり、津田がイカ社長と結婚すると知る。
毎度毎度の失恋の末、自分は死んでいて、結婚式の前に葬式が出来てよかったと言われ、色々と訳が分からず家を出ていくタイガーだった。


川へ行ったタイガーは、カラスの鳴き声の由来の歌を歌っているタイガー・リリーという下手な歌い手に出会う。
カーさん・・・母さんじゃないし、寅さん・・・別人物が想像されるしと呼び名のやり取りがあり、また会えるかな?と聞く。
会いたいと思えば、会えますよ・・・初対面のように会いましょう。


居なくなって暫くたち死んでるタイガーを心配する妹たちをよそに、タイガーは川に止まっていた船に飛び乗る。
船頭は丸川音子で、この船はベトナムへ向かっているのだと言う。
タイガーは上司の大佐に、ベトナムで捕虜になっている仲間を助けてほしいという次の任務を頼まれていた。
飛行機よりも早くベトナムに着いたタイガーは、妹に電話をかける。
何故かバナナを受話器にして受ける妹もベトナムにいた。工場で働く夫の出張に付いて来ていて、津田もイカ社長とついでの新婚旅行だと電話に出る。
タイガーは妹たちと駅前の喫茶店で待ち合わせをし、仲良くなった丸川とは船賃の魚を明日持ってくると再会を約束して去っていく。
その後、何故かイカ社長が現れて丸川に金を渡している。これで手術を・・・2人は知り合いなのであった。


妹たちは3日待ちイカ社長が戻ってくると、タイガーもやって来た。喫茶店のウエイトレスは丸川だった。
あの日の翌日、船には魚が置かれていたがタイガーは去った後だった。
偶然の再会を果たして運命の人だとタイガーが思った途端、イカ社長が待ったをかける。
実は丸川は、イカ社長の元妻だった・・・イカ社長は未だに好きだと口走り、現妻の津田に睨まれつつ、丸川にはその気はないと言われ、タイガーの失恋は確定する。


川へ向かったタイガーは、タイガー・リリーという下手な歌い手に出会う。
初対面かのように呼び名のやり取りがあり、何故か不思議に落ち着いた会話を交わすのだった・・・


タイガーが居なくなって随分経ち、島谷音子が訪ねてくる。
在アフガン大使の妻でタイガーの婚約者だと名乗る島谷は出会いからの事情を、お土産のバナナを食べさせながら熱弁する。
よく分からない3人に、またまたイカ社長が登場して、島谷は元妻だと告白する。
島谷は心苦しくもタイガーを騙そうとしていたらしいが、いつもの失恋と大らかに許すタイガーだった。
そして行き場がないと言う島谷に、他の男たちはここで働けば?と勧めるのだった。
いよいよタイガーの存在が怪しくなっていく。俺は一体何回死んだんだ?様々な自分の死の場面が繰り返され、その度に妹が泣き崩れる。
そして・・・
女たちが「聖母たちのララバイ」を合唱し、男たちが踊る中・・・タイガーは必死にやっとの思いであの世とこの世の狭間に昇天していく。
そこにはリリーが待っていた。あなたはまだ死んでない。私があげたお守りがあなたを守ったの。
お守りの中には撃たれた弾が・・・タイガーが安堵して投げ捨てると、それは妹の元へ。
妹が夫に見せると夫は考え深げに言った。弾より団子を作ろうかな・・・建設的な仕事をしたいと思うのだよ。
タイガーとリリーは船に乗って川を流れていた。流されているのではなく・・・
やがて川は海へと出るだろう。そして、とある島で2人は生きていくことになる。そこで、タイガーはハブに噛まれて死ぬのだ。
俺が死んで寂しいかと尋ねるタイガーにリリーは言った。タイガーにはいつでも会えるから・・・
そして、私は幸せよと・・・伝えるのだった。


妹に兄似の丸々とした赤ちゃんが生まれ、4人の音子とイカ社長と玉吉が、その顔を眺めているのだった・・・

 


舞台は、
中央に四畳半の舞台。その中央に卓袱台。上手奥に茶器棚。
背景には窓があり川の夜景が描かれている。その上が高い舞台。その正面に襖。
ここは、あの世とこの世の狭間?の川の上だったり、川の土手?だったり。

 


「男はつらいよ」のパロディを随所に組み込み、何十本という映画の1本1本が違う寅(タイガー)さんとして、それが1本の中で重なっているような描き方。
要するに色んなタイガー・カーの人生のパラレルワールドが同時に存在している。
台詞の中では、同盟国の為に殺し殺されとか、東京は空爆で消滅している世界だったり、現代の世界の空気や行く末を危惧する要素も盛り込まれている。

音子(=女でありつつ男)が、戦争の変遷の中で同じように辛い思いをしてきたのと同じように、
今の時代の同時多発で起こるようテロ戦争でも同じような辛い思いをしている。
時代に流されていても、人生を流れていても、自分だけではなく、どこかで誰かも同じ辛い思いをしているのだという事を、妹桜の家庭のささやかな幸せを軸にタイガーの失恋と死をもって描いている?
お正月映画としての笑いの寅さん・・・ではあるのだが、まさに寅さんの姿でのタイガーなので、雰囲気をなぞっているだけの感じであまり笑えなかった。
リリーと妹の音子は・・・逆の配役の方がしっくり来たような気がする。
確か初期のTV版で寅さんが死ぬのをフィーチャーしたり、ピーターパンのタイガー・リリーを登場させたり、アムロがララァに言うセリフをリリーに言わせたりと、細かなパロディ要素が満載されていると思われる。
「男はつらいよ」に感じるマンネリの面白さや、日常の中のペーソス、結末ありきの安心感的なものとは反対路線を展開し、分かる人をニヤリとさせようとする魅せ方散りばめ方だったように思う。


今回の、お気に入りは、
津田音子、島谷音子、かな。

 


【次回公演予告「憧れのハワイ航路(仮)】16:42-16:48
出演:渡山博隆、岡本理沙、鈴木亜由子、二宮信也
4人の男女がウクレレをポロロンと弾きながら、ハワイを待っている。
憧れのハワイがいかに良い所かを口々に発しながら、ハワイを待っている。
ハワイはあと2、3日ほどはかかるのだそうだ。なにしろ、あの憧れのハワイなのだ。
やがて、ハワイと書かれたウクレレの音色が4人に届き始める。
ハワイが近づいてきているのだろうか、ハワイアンが1人見えてくる。
他にもハワイアンがいるらしい事を教えられると、いよいよとハワイが近・・・夜になった。
周囲は真っ暗だ。ウクレレの音は去り、ハワイアンの気配もしなくなる。
ハワイも夜は静かなのだ・・・と思うと、ざわざわと大勢のハワイアンが移動していく雰囲気が醸し出される。
静かになり明るくなると・・・男が1人消えていた。
そして、そこは・・・ハワイじゃない!
ハワイは行ってしまったのだ。あの男を連れて・・・
3人は、再びのハワイの訪れを心待ちに待ち続けるのであった・・・


うーん。これ、どう膨らませるのだろうか?
昔の平塚さんっぽい不条理劇、な印象。
「44口径マグナム」が毎回やってる実現しない予告編のような気がしないでもないが、本人曰く・・・本編に忠実(前回実績)、なのだそうな。


台本(1,000円)購入。
観劇してた南津姉さんとご挨拶。