なみだ君さよならを“家族みんなで歌自慢”に出場した谷田部家の面々が歌う中、終了。感動のフィナーレでした。

 

しかしこの朝ドラはこれまでの朝ドラとはちょっと違っていた。

というのもこれまでの朝ドラは初回「おはなはん」から自立する女性の応援&逆境克服型の女性像が主役だったけど、ちょっと違う。

主人公とおぼしき女子が多数存在するところもいい。この子にスポットがしばらくは当たるのか?それとも…。と思いながら見てきた。どの子もそれぞれ主役なのだ。そう、それぞれ。

もともと、奥茨城の農家で育ったみね子。(これって、峰 富士子?あのマンガ、ルパン三世の?深読みしてる?)同級生の時子。(時子?登紀子?)そして、唯一の男子、三男(光男?吉永小百合さんとの競演で一世を風靡した浜田光男?)うーん、確かにあの頃が背景になっていることは確かだ。映画「いつでも夢を」だね。

いつも通学にバスに乗り、田舎の田園風景を見ながら友情を育んできた。彼らが育ったのは、農業を中心とした血縁協働社会だ。家の手伝いで、お祭りのように行われる田植えや稲刈り。ご近所の同級生の家族も一緒に手伝いながら育っていった。家の手伝いを嫌がらず、何故か明るい。素朴ですくすくと育つ子どもたち。同級生の母親が3人集まる女子会(?)もいい。明るい農村!

高層ビル建設や東京タワーなどの建設ラッシュに沸く東京の工事現場に出稼ぎに行っていた父 実の突然の失踪で家族を支えるため、父を捜すためにみね子もトランジスタラジオを作る工場へ集団就職で東京に行くことになる。おぉ?ここからいつもの朝ドラパターン?

そうでじゃない。そこがいつもとは違う展開。

会社の寮で、くり広げられた社縁共働社会。それが会社の倒産に伴って消えていくのだが、東京赤坂の裏路地にある小さなアパートで、再び繰り広げられた地縁協同社会。東京は江戸の頃から集まってきた人たちで出来た街だから、そして古きよき長屋の文化が残っていた時代。ともに働き、寝食をともにし、ともに…。

そんな社会を背景に主人公たちのドラマが繰り広げられた。ほぼ日常のありふれた情景なのに何か温かみのある、そして人が身体を動かし、働いて、生きていたと感じるドラマになっていた。その世代がもう後期高齢者だ。

人が生きるということ。存在するということ。居場所があるということを感じさせられた。

あなたの街でもこんな地縁共同社会がありますか?そして、あなたにとって居場所はどこですか?