一期一会 マインドフルに | つながりで支える

つながりで支える

人と人とのつながりを大切にする臨床心理士の思いを綴ります。

 最近マインドフルネスに凝っているつながりです。マインドフルネスとは、今この瞬間の意識を大切にすることです。普段私たちは「意識して生きているつもり」になっていますが、実際にはそうではなく色々なことに心奪われながら生きています。例えば本を読んでいても、テレビを見ていても、日中あった嫌なことや明日の仕事の段取りなど、様々なことに心奪われながら何となく自動的に行動しています。

 そんな時マインドフルネスのトレーニングでは、呼吸に意識を向けることで今この瞬間の意識を取り戻します。呼吸は自律神経が司る活動の中で、唯一ある程度自分の意思でコントロールすることができます。そして呼吸は一秒一秒、その瞬間の変化を続けていますから、そこに意識を向けることはそのまま「今この瞬間」に意識を向けることになります。そして今この瞬間に意識を向けることは、様々な物事への囚われから、一瞬だけ自分自身の意識を取り戻すことにつながります。

 それは思った以上に大きな効果をもたらします。大変な状況のもとで緊張や不安のあまり、頭が真っ白になってしまっても、少しだけその中に自分の意識を取り戻すことができたならば、完全に混乱してしまうようなことは防げるのです。

 さて私たちは日々たくさんの人と出会いますが、いったいどれくらい本当の出会いを経験しているのでしょうか?たとえ物理的な意味での出会いを体験していても、その瞬間にお互いがしっかりピュアな意識を保てていなければ、それは本当の出会いとは言えないのではないでしょうか?

 一期一会とは、茶の世界で主人と客がその出会いを生涯に一度のものと捉えて、真心を尽くすことを言うそうです。日常生活や仕事で多くの人と出会う私ですが、その瞬間の出会いを大切にしなければならないと思いました。またその意味では、普段からいつも行動を共にする人でも、日々新たな出会いを重ねていると考えることができます。家族や友人、そして同僚など、当たり前のように触れあっている人々とのつながりを今一度みつめ直してみようと思いました。