その昔昔むかし、4メートルを超える雪深い峠を超えたことがあった。雪崩の危険を避けるため、夏道は使わなかった。かんじきで作った細いつぼ足のような道だった。40年も前のことだ。鉄道の駅に辿り着いた時、嬉しかった。食料などの買い出しに、雪の峠越えを何度かしたことがあった。十二峠、豊原峠、それぞれの景色が思い浮かぶ。各地の山々から初冠雪の便りが届く、苗場山系の峰々も雲間に姿を覗かせている。もうすぐ、峠は厳しい季節をむかえる。