トゥルムに移住して丸10年、

こちらにきてから、

映画館で映画を見たことがありませんでした。

 

トゥルムには映画館がないし

私が見たいと思うような映画は

プラヤデルカルメンの映画館には

きてくれません・・・

 

しかし、今、話題沸騰中の

「Perfect days」は

主役の役所広司さんが

カンヌ国際映画祭で最優秀賞に輝いたこともあり

ど田舎のカンクンでも、見られます!

(プラヤデルカルメンでは上映してない)

 

 

なんですが・・・

 

今回は、ちょっとメキシコシティに行く用事がありまして

5年ぶり?ぐらいに

メキシコシティを満喫してきました。

 

いろんなお店や美術館などに行ったので

それぞれご紹介したいとは思うのですが

まずは、Perfect daysの感想が書きたい!笑

 

っていうか、監督がヴィム・ベンダースというドイツ人とはいえ

日本が舞台で、日本人の役者ばかりで、しかも日本語のセリフの映画を

メキシコで、現地の人と一緒に見るっていう体験が

とても面白かったんです!

 

今回は、日本滞在経験のあるメキシコ人と

若い頃2年ほど日本に住んだ経験があり、

家族のほとんどが今も日本に住んでいるというペルー人と一緒に

映画を見ました。笑

 

要するに、ペルー人とメキシコ人の友達二人と映画を見たんですけど

二人とも、日本にはそれぞれ通じているので

とても興味深く映画を見たようですし

疑問がいっぱいあったらしく、

映画の後は怒涛の質問コーナーになりました。笑

 

まあ、彼ら疑問は放っておくとして(笑)

Perfect daysの感想です。

 

もう、往年のヴィム・ヴェンダースファンとしては

最高の映画でした・・・泣

 

Perfect daysを見る前に

メキシコのAmazonプライムで公開してた

「パリ・テキサス」を再度みて、

「やっぱりヴィム・ヴェンダースは最高!」と再確認してから行ったのですけど

スタイルが何も変わってなくて、そこにも感動しました。笑

 

 

っていうか、この映画1984年だったのか・・・汗

40年前の映画なのに、全然色褪せないっていうのも

すごいです・・・

 

 

Perfect daysのあらすじとかは

いろんなところに書いてあるし、

この映画が

ファーストリテイリング取締役(いわゆるユニクロ)である柳井康治氏が主催する

The Tokyo Toiletというプロジェクトとの

共同タッグであることも、

いろんな場所で明らかにされてますね!

 

The Tokyo Toiletと映画の関係についてはこちらを

 

 

私がこの映画を「とりあえず、映画館でいますぐに見たい!」と思ったのは

文学作品の解説の時だけのぞいている

又吉さんのYoutube動画がきっかけでした。

 

又吉さんの感性で解説されるPerfect daysが

とっても面白くて、

オンライで公開されるまで待とう・・とは

思えなくなってしまったのです。

 

っていうか、もし、私が一人でサラッとこの映画を見てたら

又吉さんが指摘しているようなポイントには

絶対気付けなかったなと思うので

これを見ておいてよかったな・・と思ってしまいました。

 

カメラワーク、役所広司さんの演技はもちろんなんですが

やっぱり、特筆すべきは音楽です!

 

もう、場面場面に出てくる音楽がハマりすぎてて

この時代の音楽に全く詳しくない私でも

かっこいい!と思ってしまいました。

 

あとで、こちらの解説を見て

歌詞だったり、使われている背景だったりを知って

さらに感動したので

よければ読んでみてください!

 

 

 

ほとんどが洋楽の中、

なぜか1曲だけ、日本語の歌が使われていて

それが、金延幸子さんの「青い魚」という曲でした。

 

勉強不足で、

この方のことは全く知らなかったのですが(若い頃にアメリカに移住されたフォーク歌手だとのこと)

この曲の編曲が、細野晴臣さんで、

この曲が入っているアルバムのプロデューサーも彼だと知って

ちょっと納得感がありました。笑

 

映画の感想としては

本当に月並みですけれど

幸せの感じ方は人それぞれっていうこと。

そして、日々の生活の些細なことに、感謝と煌めきをを見つけられる人ほど

豊かだということ。

 

主人公である平山さんの毎日は、同じことの繰り返しに見えます。

 

それは、実際のところ、今の私の生活に重なります。

私は、もうすぐアラカンに手が届く年齢でありながら

異国の地で一人暮らしをしており

仕事も自宅作業ですから、誰とも話さない日が

何日も続くことすらあります。

(もちろん、メールとかテキストのやり取りはありますけれど、

対面で人と話さないということです)

 

平山さんのような丁寧な暮らしはしておりませんが

何か自分で計画しない限りは、

掃除して、料理して、仕事して、寝て・・・と

なんの変哲もない毎日になります。

 

もちろん、誰からストレスを受けることもなく

一人で気ままに暮らせるってことは

本当に幸せなことだとは思うんですけれど

私は、この平穏な日常を

「同じことの繰り返し」だから

なんらか「ハレの日」をつくらないと張り合いがないと

思い込んでいたんですよね。

 

でも、この映画を見て

「毎日が新しい日」と捉えることで

生き方も、楽しみ方も変わってくるという当たり前のことを

改めて感じました。

 

この映画のテーマになっている「木漏れ日」にあるように

同じことなんてあり得ないわけですから・・・・。

 

何も、無理やりイベントを作らなくてもいいし、

誰かと話さなきゃと思う必要もない。

そう考えると、変な焦りもなくなって

ちょっと豊かな気持ちになりました。

 

 

ちなみに

Perfect daysのレビューで、個人的に一番気に入ったのが、これです!

 
今回のPerfect daysは、小津安二郎の東京物語のヴィム・ヴェンダース版とか言われていますが
それを見事に解説してくれていて
なんだかスッキリしました。
 
 

そして平山さんの人物像に関しては

ヴィム・ヴェンダース監督のインタビュー動画を見つけましたので

こちらもぜひ見てほしい!

全部で5個ぐらいあります!

 

主人公の平山さんの過去は

映画の中では、一歳明かされませんけれど、そのヒントを

監督自身が語ってくれてます!

 

 

 

 

 

 

 

以上になります!

 

ヴィム・ヴェンダースが好きすぎるあまり

情報過多の紹介になってしまいましたが、

Perfect daysを見たら

色々と探りたくなる気持ちは

わかっていただけるんじゃないかと思います!笑


ちなみに、

メキシコ人が映画館で、クスッとしているシーンは

私がそう感じるのと

ほぼ同じ感じでした。

 

やっぱり、日本人監督ではなくて

外国人の監督が日本をとらえた視点なので

メキシコ人ともユーモアの部分は、

共有できているのかな〜という感じがしました。

 

あ、あと

メキシコ人は

全然エンドロール最後まで見ないで、出ちゃうんですけど

この映画は、最後の最後まで

気が抜けませんので

途中で席を立たないでくださいね!!!

 

Perfect daysに影響されて

チャプルテペック城のお庭で

木漏れ日を撮影してみました!