藤周作の作品です。

宗教がテーマになっています。カトリック系の大学に通いキリスト教の教えを信じる学生、その学生が恋した無宗教の女性とのやりとりから始まります。

無宗教の女性が、大人になってから参加するインドへのツアーでは、亡くなった妻の生まれ変わりを探す夫や、ガンジス川での神聖な葬儀を平気で写真におさめようとするカメラマンがいたり、人の心の中にある宗教感についてすごく考えさせられます。


大学最後の春休みに、インドへ行こうと友人に誘われ、インドに行く前にインドが舞台になっているこの作品を読んでおきたい、と思い読み始めました。

インドは仏教が生まれた土地。そして同時に、カトリックの教えに従って、マザーテレサが生涯を捧げた土地でもあります。ガンジス川の神聖さは、あらゆる宗教を飲み込み、受け入れていると思います。

宗教とインドが切っても切り離せない気がして、インドへ行く前に、絶対読まなければ、と思っていた本でした。

結局インドからタイに方面変更になってしまいましたが、タイにいる間も、本の内容を反芻してしまうほど、重いテーマの内容だったなぁと思います。

この本に出会えて良かったです。


信仰というものが人の心に深く根付き、その結果信仰するものがあるから強くなれる人間の様子を描いていて、読み終わった後は、ふだんあまり考え込むこともない信仰についてじっくり考えてしまいました。



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