銀色夏生

『今を生きやすく~つれづれノート言葉集』

より


嘘がいけないわけじゃない。

本当のことを

いつもいつも言う必要はないと思う。ただ、

嘘(本当じゃないこと)を言う理由、

動機が気になる。

その動機が嫌いな時、

私はその嘘を「嫌いだ」と思う。




あるブログで紹介されていた

2019年2月「産経沙」の記事より


宮部みゆきさんの時代小説『桜ほうさら』で、主人公が父親の訓話を思い出す場面。


「嘘というものはな、釣り糸に似ている」

釣り糸には、魚の口に引っかかったように外れなぬように、返しがついている。

「それでも抜こうと思うならば、ただ刺さっている時よりもさらに深く人を傷つけ、己の心も抉(えぐ)ってしまう」



保身のために、嘘をつき

さらに嘘を重ねて

にっちもさっちもいかなくなっている人を


可哀想な人だな…と思う



己の心も抉っているのだから。