閉胸。そして、再バンディング | ゆかのおくりもの~HLHSの娘と家族のきろく

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2014年10月生まれの次女は先天性心疾患のHLHS。2017年4月末、根治術後3日、2歳半で天使になりました。娘が私たち家族に、残してくれたものを贈り物として大切にしていきたい。そんな想いから、天使ママになった気持ちや日常などを記すことにしました。

2014年10月31日

9時
夜は落ち着いていた様子。
ゆかには今日の天気とお七夜のお膳の話をしました。
10時頃から今日の手術の説明を聞くことに。

10時10分
Drからの説明。
「急変があって、それから開胸下で状態が落ち着いてきました。おしっこも出てて、昨日の時点で腹膜透析は止めてます。
ただ、酸素が取り込みすぎて、肺血流量が増えているので、昨日からまた、窒素をいれて状態を見ていて、いい状態。
開胸しているのは異常な状態で、あまり長くそうした状況にはしたくないので、閉める前にエコーをして肺動脈をしばれるか見てみます。私たちとしてはもう少ししばった方がいいんじゃないかな?と思っています。これは、やらないかもしれないし、やるかもしれないし、手術中に決めます。
合併症としては…
①出血→前回からも輸血をしてるが、可能性がある。
②脳障害→ショック状態になればあり得るし、いつまでも付きまといます。
③心機能低下→元々の疾患がある
④腎機能低下→この間のようになれば、透析をしなければいけない。
⑤内臓障害→こういった異常状態が続けば、他の臓器にも影響がある。
⑥感染→これもいつまでもつきまといます。一番怖い。術創だと膿が出たり、心臓だと開けて洗浄したりします。
⑦手術操作による損傷→ないようにしますが、可能性はゼロではない。
⑧アレルギー
⑨高肺血流によるショック状態→肺動脈のしばりが足りない
⑩低肺血流→しばりすぎる。
手術後、血行動態が落ち着けば、徐々に抜管していきます。

本当に大変な病気。どうなってもおかしくない中で頑張っているということをちゃんとわかってほしい。
だから、お父さんにも仕事が大切なのはわかるけど、そういう状態じゃないことを知ってほしい。
手術は2時間くらいです。
定期の手術後にやるので14時くらいかな。
もし、2時間です帰ってこれなかったら、何かあったと思ってください。

という説明でした。

こんなに厳しい話をされ、実母はいたものの、一人だった私は本当に堪えました。
このときの私たちにはそう言った、覚悟がたりなかった…。
パパは仕事に行くのが当たり前で、ゆかが頑張っていることをわかっていてもそこまでじゃなかった。
先生から言われたことで、ゆかは何かあってもおかしくない厳しい状況であることを思い知らされました。
それから、何があっても家族揃ってゆかの頑張りを見守ろうと決めたのです。

13時50分
ゆか、入室。
パパにも説明のあと泣きながら連絡をして、仕事を切り上げてきてもらいました。
お昼前に到着。
パパ、ママ、ばぁばちゃんで見送り。

15時50分
ICU帰室の連絡。二時間で帰ってこれた!
術後説明では、
まず、左肺動脈をしばったが、やはり詰まりそうなので外して、3m/sの血流。
右は3.5m/sの血流で調整し、閉胸。
ゆか、よく頑張りました!



19時30分
術後、血圧も、おしっこもOK。今夜一晩は何も変更せず、このまま様子を見ていく。落ち着いていれば、明日以降、調整していくようになると。ひとまず安心。