✨【偶然の再会と、揺れ動く心 編】

あの日以来、
私たちの間には長い沈黙が流れていた。

忘れたふりをする日もあった。
強がって笑った日もあった。

それでも心の奥では、ずっと消えない想いがあった。


そしてついに“その瞬間”は訪れた。

仕事帰りの道。
ふと顔を上げると、
人混みの中に彼(彼女)が立っていた。

まるで時間だけが止まったみたいだった。

驚き、嬉しさ、戸惑い――
いろんな感情が一気に溢れて、
胸がぎゅっと締めつけられた。

その一方で、心のどこかが呟いた。

「ほら、やっぱり引き寄せられてる」


彼(彼女)も私に気づいた。
目が合った瞬間、あの頃と同じ光を感じた。

でも――次の瞬間、
相手は一度、視線をそらした。

会いたかったはずなのに。
求め合っていたはずなのに。

ほんの数歩の距離が、
まだ遠く感じた。


それでも私は微笑んで「久しぶり」と声をかけた。
相手も同じように微笑み返してくれた。

その笑顔は、どこか切なかった。
まるで “本当は近づきたいのに、近づけない” と語っているようで。

心の壁はまだ残っていた。
けれど――確かに“再び動き出した瞬間”だった。


短い会話を交わしただけで、その日は別れた。
けれど、ひとり帰る夜道で私は気づいた。

胸の奥が、静かに熱くなっていた。

「もう逃げない」
「今度こそ向き合いたい」

そう決めた瞬間、涙が一粒こぼれた。

再会はした。
でも、まだ完全には触れられない。

サイレントは終わりへ向かっているのに、
心の物語はここからが本番だった――。

(次回「近づくほど怖くなる心の影」へ続く)

 

ツインレイの出会いそして、サイレント | セレスナビア