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新生活がスタートして新規一転する気持ちですね。今年度のつくし塾は3院合同就職説明会を行うなど、新しい試みを始めています。

 

さて、私は大腿骨骨幹部骨折』をした方の往診をさせていただいたことがあります。その方は90代の女性(Aさん)で、自宅の玄関先で転倒してしまい骨折されました。骨折後は車いすでの生活になり、何をするにも介護が必要になったために施設へ入所されました。骨折の手術は体力的に難しいということで、手術は行わず大腿装具と骨癒合促進のために、毎日20分間の超音波治療をされていました。

大腿が骨折しているということで、普段の生活では患側下肢に加重をかけないように生活されてたので、私は筋力維持と可動域の維持を目的として治療をさせていただきました。

 

私が治療をさせていただくことになった際にもAさんの骨はくっついておらず、大腿骨に対して剪断力のかかるような負荷は禁忌でした。ですので、股関節・膝関節の可動の際には両腕でAさんの大腿を覆うようにして大腿全体を固定しながら行いました。訓練に関しても大腿を両腕で支えながら、下肢全体を上げ下げしていただき大腿四頭筋・ハムストリングスの訓練を行いました。車いすの生活で自動介助での動きが精一杯の状態まで筋力が低下していましたが、Aさんは一生懸命に力をいれようとしてくださいました。

 

Aさんは一年がたっても骨の癒合はされていません。それほどに高齢者の回復力は遅いということと、加重をかけないことでの骨の刺激量の少なさによる回復力の少なさを改めて感じる経験でした。このことからも、早期に適切な訓練をすることはとても大切であり、我々の訪問鍼灸・マッサージの認知度の向上に努めていかなくてはいけませんね。

 

いちえ鍼療院 坪井