2025年 3月 16日(日)



あらすじ

闇バイトを終えた二郎だったがその様子を見ていた貧乏神は二郎へさらなる不幸を仕掛けるのか?



二郎は笑バイトの上には暴力団がついていると聞いていたから、バイト代が支払われないかもと心配していたが、

それは杞憂に終わった。高齢者を笑わせたとリクルーターから褒められ、なんとなくホッとした。

しかし、その満足感も束の間、リクルーターから渡された靴に内蔵されたGPSに気づいたとき、胸の奥に何とも言えない不安がこみ上げてきた。

「これ、まさか…」二郎は自分に問いかけながら靴を見下ろした。GPSがどうこう、という話は聞いていたが、実際に自分がその監視対象になっていると実感すると、気分の良いものではない。

彼の行動は逐一チェックされている。街中を歩くたび、周りにいる誰かが見ているような気がして、公道がぎこちなくなる。

しかし、二郎はすぐにその気持ちを押し込めた。オレ、無視されるのがストレスだったから、逆に感謝か? 結局、こうするしかないのだと自分に言い聞かせた。

誰かが見ているからと言って、どうしようもない。だが、心の中で「誰得?」と思わずにはいられなかった。

少し冷静に考えると、深入りしないことが自分を守る唯一の手段だと気づいた。

極端なことをすれば、命を縮めるだけだ。無駄に反抗しても得られるものはない。自分は指示されているだけ。

続く