そうすると、部屋全体がゾンビ館の一室の様相を呈する。今にも襲われそう!になっちゃう気分!ウギャーウギャーって叫んじゃう!もちろん、それだけじゃない。

このVR空間には、リアルな触覚フィードバックを装備しました。ゾンビを攻撃した際の衝撃や、ゾンビに追いかけられている臨場感が味わえます!

彼らは現実のモノとなったのです。」クッチは目を輝かせながら、「すごい!魔法みたい!」

と叫んだ。一反木綿は少し不安そうに、「そして、ガリさんはリップールさんの指定した部屋の3Dモデルを作ったんですね」と尋ねた。

ガリは「そうです、そうです。リップールさんが船上パーティーでゾンビを出現させて、

皆んなを怖がらせるって、言ってました。だから、追加で幽霊、宇宙人、モンスターバージョンも搭載させました。」と笑った。

「ではでは、リップールさんはスイッチをオンするだけで、ゾンビを出現させられた?」と、一反木綿。

「もちろんですよ! リップールさんが、と言うよりも、お客様に面倒をかけずいかに楽しんで頂くかが私の課題ですから」と、ガリは胸を張った。

「それじゃあ、誰も死んでないの?」と、クッチ。「あなたもしつこいですね。イノベーションの私の仕事は大雑把に言えば、明日はもっと楽して楽しく、人々を幸せにですよ!」と、ガリ。

一反木綿は、ガリの言葉を聞いて、大きなため息を付いて、「あの、誰も亡くなっていないとなると、

リップールさんは、大芝居を打ったと? それでは、トロイの木馬にいた人々はどうしているんです!」と、聞いた。


続く。