ガリは一反木綿の言葉にインスパイアされたらしく、パソコンの画面に顔を近づけ、真剣な表情でコードを打ち込んでいた。
クッチと一反木綿は、そんなガリの横で、楽しそうにウオレット寿司を頬張って、ガリの手が止まるのを待った。

「ガリさん、手が止まったようなので、話しかけてみましたが、宜しかったでしょうか?新しいヘルメットのデザイン、思いついたんじゃないですか?
ぜひ、一反木綿のような可愛いデザインも検討してみてくださいね。」
と、クッチ。
一反木綿は、ヘッーとした顔でクッチを見てから「ガリさん、もう一度お尋ねしますが、揉めメディアさんとはお会いできますか?」と、念を押した。
ガリは「はい、会えると思います。その前にお話しておきますが、私はリップールさんから、この件は口外無用と、言われたりしていませんし、
金銭的なやり取りもないんです。彼は私の構想を面白がって、商品開発に必要な資金を出してくれています。
ゾンビVRゴーグルを開発した時は、『これは面白いけど、ちょっとやりすぎじゃないか?』とダメ出しされましたが、
彼は個人的に楽しんでいるようで、何度かバージョンアップしました。」と、のんびりと話した。
一反木綿は「イヤイヤイヤ、ガリさん、ゾンビVRゴーグルって、バグが寄生虫みたいになって、プレイヤーを襲ってくるようなストーリーじゃないですか?」
と、食い気味に聞いた。ガリは「えっ! 一反木綿さん!もしかしてー、リップールさんと遊ばれたんですか? 売ってないのに知ってるなんてー」
と、笑った。クッチと一反木綿は、息をのんでガリを見つめた。「嘘ッソー、あの、そのゲームをすると、モノは死ぬんですか?」と、クッチは興奮気味に尋ねた。
続く。